羽生に国民栄誉賞、五輪連覇称え 個人最年少23歳、震災復興にも力

2018年03月03日 05:30

フィギュアスケート

羽生に国民栄誉賞、五輪連覇称え 個人最年少23歳、震災復興にも力
平昌五輪で連覇を飾り金メダルを手に笑顔の羽生 Photo By スポニチ
 政府は2日、平昌五輪のフィギュアスケート男子で連覇を達成した羽生結弦(23)に国民栄誉賞を授与する方針を固めた。ケガを乗り越えて66年ぶりとなる2大会連続の金メダルを獲得した偉業が国民に感動や勇気を与えたと評価した。実現すればスケート界で初、冬季五輪の選手としても初めてとなる。個人としては最年少での受賞となる見通しだ。
 羽生がまた一つ、大きな勲章を手にすることになりそうだ。菅義偉官房長官は会見で、羽生への国民栄誉賞授与について、安倍晋三首相が具体的な検討に入るよう指示したと発表した。菅氏は「五輪連覇は社会に明るい夢や希望を与え、東日本大震災の復興への力強いメッセージとなった」と強調した。政府は首相の指示を受けて、有識者の意見を聴取し、正式決定する。

 首相は2日の参院予算委員会で平昌五輪に関し「羽生選手の2大会連続金メダルをはじめ13個のメダルを獲得した。今回の盛り上がりを2020年の東京大会につなげていきたい」と述べた。

 羽生は14年ソチ五輪のフィギュアスケートで、日本人男子として五輪史上初の金メダルを獲得した。昨年11月の右足首の負傷を克服し、平昌五輪では2月17日のフリーで4度の4回転ジャンプを含め、ほぼ完璧な演技を披露。日本勢の大会金メダル第1号となるとともに、冬季五輪史上1000個目の金メダルを手にした。海外メディアからも大きな称賛を浴び、菅氏は会見で「まさに歴史に残る快挙だ」と称えた。

 4歳でスケートを始めた羽生は、11年に地元・仙台市のリンクで練習中に東日本大震災が発生。スケート靴を履いたまま外へ逃げ、避難所で母、姉と家族3人で4日過ごした経験がある。ソチ五輪後にはメダルの報告で岩手県大槌町など被災地を訪れ子供たちと交流。「また笑顔になってもらえたらいいな」と話したが、平昌五輪後の2月27日の日本記者クラブでの会見でも「被災地の方が笑顔になるきっかけがあればいいなと思っていた。また復興の力にしていただければいいかな」と口にしていた。

 五輪金メダリストではこれまでレスリング女子の吉田沙保里、伊調馨、柔道の山下泰裕、女子マラソンの高橋尚子に授与されているが冬季五輪選手としては史上初。しかも羽生はまだ23歳で、84年の山下泰裕の27歳を大幅に更新して個人としては最年少受賞となる。

 今後は正式に決まり次第、授与式の日程が調整される。震災から7年。羽生が2つの金メダルに続き、三度被災地に朗報を届ける。

 ≪受賞者慣例記念品は100万円前後≫国民栄誉賞の受賞者には慣例として100万円前後の記念品が贈られる。最初の受賞者であるプロ野球ソフトバンクの王貞治会長(77)にはオオカンムリワシの剥製が渡された。過去には懐中時計、腕時計、陶器などが記念品となっている。

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