斉藤仁氏次男・立 父直伝、世界一の体落とし 国士舘V導いた

2018年03月22日 05:30

柔道

斉藤仁氏次男・立 父直伝、世界一の体落とし 国士舘V導いた
柔道全国高校選手権男子団体戦決勝で天理・中野(右)を攻め立てる国士舘・斉藤 Photo By スポニチ
 【柔道 全国高校選手権最終日 ( 2018年3月21日    東京・日本武道館 )】 男女団体戦が行われ、男子は決勝で国士舘(東京)が天理(奈良)を破り、3年ぶり9度目の優勝を果たした。国士舘は五輪2大会連続金メダリストで15年に54歳の若さで亡くなった斉藤仁氏の次男・立(たつる=1年)が、大将として臨んだ決勝で2人抜き。1メートル90、155キロの大器が頭角を現した。女子は夙川学院(兵庫)が2連覇を達成した。
 オールドファンなら誰もが、五輪2大会連続金メダルの名柔道家の面影を重ねただろう。相手は前日の個人無差別級制覇の勢いで3人抜きしてきた天理の副将・中野。斉藤は開始から攻め立て、1分14秒、体落としで相手を完璧に畳に叩き付けた。続く大将にも内股で一本勝ち。逆転優勝の立役者になり「スカッとしました。体落としは小1で初めてお父さんに教えられた技。自分を信じて投げることができた」と体に似合わぬ童顔を緩めた。

 役員席から身を乗り出すように観戦した全日本柔道連盟の山下泰裕会長も、自身と幾多の名勝負を繰り広げた仁氏の姿を重ねた一人だ。「あの体であの体落とし。内股も脚がきれいに上がる。体に頼った柔道をしていない。お父さんの魂がこもっている」と目を細めた。小1から父の手ほどきで何千、何万回の打ち込みを繰り返した軽量級のような切れ味鋭い技が武器。体の柔らかさも抜群で、斉藤自身も「足ではなく体を回す(イメージ)」と父の教えを忠実に披露した。

 「お父さんを超える選手になってほしい。それを超えたら、俺の記録を破ってほしい」と期待をかけた山下会長だが、20年東京五輪については「厳しいだろうね」と現実的だ。だが、本人は違う。「東京五輪で絶対に優勝してお父さんに恩返ししたい」。小5で父の身長を抜いた大器が、規格外の夢へ突き進む。

 ◆斉藤 立(さいとう・たつる)2002年(平14)3月8日生まれ、大阪市出身の16歳。父の手ほどきで小1から柔道を始め、小6で全国少年大会を制覇。大阪・上宮中では中3で全中90キロ超級で優勝。昨年4月に国士舘高に入学し、シニアデビューとなった同11月の講道館杯は3回戦敗退だった。1メートル90、155キロ。足のサイズは34センチ。全日本男子ジュニア強化選手。

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