サト〜コ スペシャルフォト フォ ミー! ミラノ世界フィギュア激写日記(3)
2018年04月03日 10:15
フィギュアスケート
「オレの金だ」。大声を出すとブツブツ言いながらも引き上げていく。コイン投入口を壊すのが手順(1)とすれば、釣り銭返却口のフタを取っ払うのが手順(2)、群がってパニックを起こさせるのが手順(3)。仕上げはコインの行方に気を取られている人のカバンから財布をスリ盗ることである。彼らにとって大事なのは手順(1)。財布を出させ、どこにしまうかを確認することだ。駅で盗れなくても地下鉄車内で盗ればいい。私に被害はなかったが、大会期間中、スリ集団は日本からのファンや報道陣を獲物に荒稼ぎしたようだ。
地下鉄のスリを除けばミラノ取材は快適だった。旧知のフィギュアスケートカメラマン仲間も健在、というか顔ぶれは変わっていない。長老・デビッド・カーマイケルは74歳になったそうだ。一昨年聞いたときには75歳だったから、そこで折り返し来年は73歳になるのだろう。宮原知子選手が20歳のバースデーケーキを持ってるのを見かけるや「サト〜コ!」とダッシュしてスペシャルフォトをせがむ。 「今、走ったよね」「走った」。相変わらず食えない人である。
そして日本にも若返っちゃったカメラマンがいる。確か昨年暮れには「体力の限界」を悟り「ミラノが最後」とか言っていたはずのS原さんである。それが「北京までやれるかどうかはわからないけど」なんて言い出した。どうも平昌の羽生結弦選手を見て元気になっちゃったらしい。まあその気持ちはよくわかるから突っ込まないでおいてあげよう。
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「どうぞ」。
怪しげなアパルトメントで鍋を掛けていた男は皿をテーブルに置いた。湯気を立て、芳しい匂いのする皿はまさしく海老カレー。聞けば私と田中という男のためにタマネギを炒めるところから始めて(仕事はどうした?)完成にこぎつけたという。一口ほおばって、私は思わず涙ぐみ、男の手を握りたくなった。
「能登さん、オレと一緒にここで店だそうよ。カメラマンやってるより儲かるよ」。
桜は三分咲きだったミラノから満開の日本へ。2017〜18シーズンを終えてフィギュアスケートカメラマンたちもお家に帰り、しばし皆様ともお別れです。おっとその前に22日の仙台パレードという大仕事があった。
小海途〜。出陣じゃ!脚立を持て!(写真部長)
※田中さん、能登さん=この世界で著名なカメラマン。小海途=部下の敏腕カメラマン。
◆長久保豊(ながくぼ・ゆたか)1962年2月生まれ。能登さんカレーの味の秘密はダブル・ルー。ミラノで食べたものの中で間違いなく一番の味でした。
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