栃ノ心、大関“リーチ” 93年若ノ花並み最速ペースで3場所32勝

2018年05月21日 05:30

相撲

栃ノ心、大関“リーチ” 93年若ノ花並み最速ペースで3場所32勝
中日に勝ち越しを決め懸賞を受け取る栃ノ心 Photo By スポニチ
 【大相撲夏場所8日目   ○栃ノ心―逸ノ城● ( 2018年5月20日    両国国技館 )】 大関獲りが懸かる関脇・栃ノ心が48秒の激闘の末、逸ノ城との関脇対決に勝ち、8戦全勝で勝ち越した。昇進の目安とされる3場所計33勝に迫る同32勝目となり、大関の地位へまた近づいた。2場所連続優勝を目指す横綱・鶴竜と、全休明けの横綱・白鵬も1差で栃ノ心を追う。平幕では千代の国がただ一人、1敗を守った。
 大関獲りへの全勝ターンだ。栃ノ心が幕内最重量、225キロの逸ノ城との力相撲を制し、自身初の中日勝ち越しを決めた。

 予想通りの右四つがっぷり。相手は先場所より10キロ増えた体重を武器に、栃ノ心のお株を奪うつり技も繰り出してきた。そこを耐えて右から投げを打ち、左を巻き替えると、両下手を引きつけて巨体を土俵の外へ運んだ。「前より重かった。もろ差しにならないとダメだった」。熱闘を振り返る肩は揺れ、汗が止まらなかった。

 普段の場所中は緊張感から食欲が減少。毎日ヨーグルトの大パック2つを食べるなど工夫しているが、体重は減る。ところが前夜は違った。7日目の遠藤戦は不戦勝。貴重な休養日となりリラックスできた。そのため「いつもより腹が減ったよ」。出前で寿司3人前と海鮮丼を平らげた。さらに夜食として卵5個と納豆3パックで卵焼きを自らつくり、パンと一緒に食べると一夜にして体重が170キロから174キロにリバウンド。巨漢を寄り切る原動力にもなった。

 ここ3場所で32個目の白星。大関昇進の目安とされる直近3場所33勝は目前だ。平成以降に誕生した24人の大関中、昇進場所の9日目に同33勝目を挙げた93年の若ノ花に並ぶ最速ペースだ。

 もちろん、すっきり昇進するためには2桁の白星が必要。先場所の千秋楽で、当時の境川審判部長代理(元小結・両国)も大関獲りの場所で「9番と10番は違う」と見解を示している。栃ノ心も「勝ち越しが目標じゃない。これからが大事」と通過点を強調。V争いでも先頭に立ち、賜杯を視野に昇進ロードを走る。

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