池江璃花子 白血病から復活へ「前を見るしかない」、406日ぶりプールに入り「忘れません。この日を」

2020年05月09日 21:07

競泳

池江璃花子 白血病から復活へ「前を見るしかない」、406日ぶりプールに入り「忘れません。この日を」
池江璃花子 Photo By スポニチ
 白血病からの復活を目指す競泳女子の池江璃花子(19=ルネサンス)が、9日放送のNHKスペシャル「ふり向かずに 前へ 池江璃花子 19歳」(後7・30)に登場。白血病を乗り越えアスリートとして復帰を目指す池江に番組が密着し「前を見るしかない」と語る姿を伝えた。
 池江は昨年2月12日に、ツイッター上で白血病であることを公表。12月17日に退院し、通院治療に切り替えている。退院直後は1年にわたる闘病で57キロあった体重は10キロ以上落ち、寛解はしているものの免疫抑制剤など1日20錠の薬を服用しなければならなかった。体力、筋力も落ちて懸垂もできなくなっている悔しさの中、それでも池江は「当たり前じゃなくなった時に、それができるようになった時に幸せを感じるんだなって」と退院して普通に生活できることを「奇跡でもあるんじゃないかなと思います」と前向きにとらえた。

 そんな池江が歌詞を自分に重ねたのがKing Gnuの「白日」。「戻れないよ 昔のようには きらめいて見えたとしても明日へと歩きださなきゃ」「真っ新に生まれ変わって、人生一から始めようか」という歌詞に「昔の栄光には戻れないから、前を向こうって思わせてくれた」と言葉をもらした。

 懸命なトレーニグで退院から3カ月後の3月には懸垂4回、腕立て伏せ10回ができるようになり、「今は本当にこれからできていく自分の成長が楽しみ。過去のことを振り返る必要はないと思うし。前を見るしかない」と語った。3月17日には406日ぶりにプールにも入ることができ「すごく気持ちいい。楽しい」とはしゃいだ様子も見せた。さらにビート板を使ってバタ足で25メートルを泳いだ。病気の前には15秒ほどで泳いだ25メートルだったが「きつい…記録しておいてください19秒41」と再スタートのタイムをを明かし、「今までには感じたことのない気持ちになりました。忘れません。この日を」と泳ぐ楽しみを現した。

 だが、その後新型コロナウイルスの感染拡大で五輪も延期に。池江はアスリートの気持ちが「めちゃめちゃわかる。目の前の大きな目標を失った感じ。当たり前のことが非日常になっちゃう。ある日突然」と、自身が白血病になった時の気持ちを思い出すように語った。その後も外出自粛要請などが続き「正直病院から出て、まさか日常生活でこういうふうになるとは思っていなかったので、正直ちょっと残念というか…仕方ないんですけど。皆の自由が奪われちゃうってのもあるけど、普通に生活しているのは当たり前だけど、当たり前じゃないし、そういう日常生活に対する感謝を考えさせられた」と語った。

 池江は「自分が復帰したということをまずは病気の人たちに伝えて、元気づけたい」としアスリートとしての自らの成長を感じることで「病気の人たち、普通に生活をする人たち、スポーツをする人たち、全員の気持ちがわかるようになったから、結果うんぬんよりも、どん底まで行った人間がここまで上がってきたんだという成長をちょっとずつでも見せていければいいんじゃないかななと思います。できるところまでやりたいし、できるところまでチャレンジしたい」とかみしめるように語った。

 番組後、池江は自身のツイッターで「番組見て頂きありがとうございました。いつか皆さんに試合会場で、戻って来た自分をお見せ出来るよう、頑張ります!」と誓っていた。

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