池江璃花子、10月レース復帰目指す「メンタルはメチャメチャ強くなっている」
2020年07月03日 05:30
競泳
池江は昨年2月に白血病を公表。「最初は治療で髪の毛が抜けることを知ってショックを受けた」と振り返った。同12月に退院。今年3月には406日ぶりにプールに入った。コロナ禍で3月下旬から本格練習を控えたが、緊急事態宣言の解除後から徐々にトレーニングを再開。現在は月1回の通院治療を継続しながら、週4回泳ぐ。同じ所属の持田早智(20)、山本茉由佳(20)とのグループ練習で、リオ五輪代表の持田に先行する場面もあり「皆と泳ぎ始めた時は練習についていけなかったが、差がなくなってきた。日に日に力は付いている」と手応えはある。
4日は20歳の誕生日。自身の現在地を「自分の中学生の頃ぐらい。中学1、2年ぐらいまで戻りつつあるので、早く高校生ぐらいまで戻せたらいいな」と分析した。初めて日本記録を出したのが、中学3年時に出場した15年W杯東京大会の100メートルバタフライ。そのバタフライは「泳ぎが複雑なので腕と足のタイミングは今も試行錯誤している」というが、他の3泳法は闘病前の感覚を取り戻しつつある。西崎コーチは「本人がもっと頑張りたいという時にブレーキをかけるのも役割」と説明。この日も呼吸などの状態を見て、他の選手より泳ぐ本数を減らす指示を出した。
東京五輪が1年延期になったが、目標は変えていない。「五輪が1年延びたことで(出場を)期待されるが、あくまでも目標は24年(パリ五輪)。今は土台をしっかりつくりたい。16年(リオ五輪)に出たが、その1回では絶対に終わらせたくない。正直、入院していた時よりきついことはないと思っているので、メンタルはメチャメチャ強くなっている」。ブレず、焦らず、鋼のメンタルで目標を一つずつクリアしていく。
《西崎コーチ見守る「呼吸」「動作」「笑顔」》西崎コーチは池江の一挙手一投足に細心の注意を払っている。練習中に積極的にコミュニケーションを取り、呼吸や動作などもチェック。「池江選手の状態を把握して、負荷がかかり過ぎないようにしている。笑顔が絶えないのが一番。その中で、昨日(前日)より前進できるように努力しています」との方針を明かし「100、200メートルの距離が入る時は6~7割、今日のような(短距離中心の)メニューでは8割はできています」と近況を説明した。
▽日本学生選手権水泳競技大会(インカレ)1921年にスタート。昨年は男子が日大、女子は日体大が優勝している。今年度の国内大会はコロナ禍で中止や延期が続発。4月に予定されていた日本選手権は12月、同じく6月に予定されていたジャパンオープンを来年2月に開催する方針だが、現時点では不透明な部分が多く、インカレの開催可否も決まっていない。
◆池江 璃花子(いけえ・りかこ)2000年(平12)7月4日生まれ、東京都江戸川区出身の19歳。自宅の風呂場で水中出産で誕生した。淑徳巣鴨―日大2年在学中。本命種目の100メートルバタフライなど長水路(50メートルプール)短水路(25メートルプール)を合わせて18種目で日本記録を保持する。16年リオ五輪には7種目で出場。18年ジャカルタ・アジア大会では6冠を達成した。1メートル71。血液型A。
《池江 これまでの経緯》
▼19年2月12日 ツイッターで白血病を公表。
▼3月6日 ツイッターで「思ってたより、数十倍、数百倍、数千倍しんどいです」と心境を告白。
▼3月13日 「まだまだ諦めないぞー」と東京五輪出場への思いをつづる。
▼4月2日 世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権を欠場。
▼同8日 日大へ入学。
▼5月8日 公式サイトを開設。
▼6月5日 公式サイトで5月下旬に一時退院したことを報告。
▼9月6日 日本学生選手権を観戦。白血病公表後、初めて公の場に現れる。
▼12月17日 退院し、24年パリ五輪を目指す意向を表明。
▼20年3月17日 公式サイトなどで406日ぶりにプールに入る姿を公開。
▼6月19日 所属するルネサンスで競泳ヘッドコーチを務める西崎氏の指導で練習を行うことを発表。
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