女子ゴルフ渋野日向子 石川遼の助言を受けて取り組むスイング改造 初戦の評価は
2021年03月11日 10:50
ゴルフ
両肘を内側に絞り、手の位置が低い「ハンドダウン」気味の構えは従来通りだが、トップの位置を低くしてフラットに振り抜くスイングに変わっていた。
渋野は「今までトップの位置を高く上げていたが、ちょっと低め(にした)。右肩よりも手が上がらない。そのトップができることで左のミスが消える。縦振りよりも横振りに近いスイングを目指している」と説明した。
スイングプレーンがフラットになるだけではない。切り返しの時にはシャフトが飛球線方向よりも左に向く「レイドオフ」の形になる。ラウンド中、その動きを何度も確認していた。既視感があったが、コメントを聞いて合点がいった。
「石川遼プロから助言していただいた」。オフには数回、石川遼(29=CASIO)と一緒に練習を行い、スイングに関するアドバイスをもらったという。昨年からスイング改造に着手した石川もよくプレー中に「レイドオフ」の動きを確認していた。渋野はそのルーティンを真似たのかもしれない。
では新スイングの感触はどうだったのか。最終日のホールアウト後、渋野は「ティーショットはやりきることができた。セカンドショットや短い距離になると難しかった」と分析した。
4日間のフェアウェーキープ率は73・21%。第2日は3ホール、第3日は1ホールしかフェアウェーを外していない。初めてのコースでしかもインは事前にラウンドできなかったこと、最終日は悪天候に見舞われたことを考えれば、数字以上に手応えがあったはずだ。
パーオン率は69・44%。優勝した小祝さくら(22=ニトリ)が72・22%を記録するなど上位は軒並み70%以上だっただけにもう少し確率を上げたいところだろう。
渋野は「アイアンショットに関しては自分の向きたい方向に向けていなかった。向きの確認をやっていかないと」とアライメント(体の向き)を修正する考えを示した。
気になるのが左へのミスだ。第3日はアイアンショットを左に引っかける場面が多く、ラウンド後には「上位との差を見てしまう場面があった。そこは反省点」と振り返った。バーディーを取りたいという欲がミスにつながったわけだ。重圧が掛かる場面での精度は課題になるだろう。
とはいえ来季の米ツアー挑戦を見据えた取り組みは始まったばかり。渋野は「理想とはほど遠いというか、理想を見つけられていない。やっていって自分自身で理想をつくるものだと個人的には思っている」とも話した。1年後、果たしてどんな進化を遂げているのだろうか。(スポーツ部専門委員)
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