羽生 SP1位発進!苦悩の中…4年ぶり世界王座&初の完全制覇へ

2021年03月27日 03:00

フィギュアスケート

羽生 SP1位発進!苦悩の中…4年ぶり世界王座&初の完全制覇へ
<世界フィギュア第2日>男子SP、演技をする羽生(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 【フィギュアスケート世界選手権第2日 ( 2021年3月25日    スウェーデン・ストックホルム )】 男子ショートプログラム(SP)が行われ、14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(26=ANA)はミスのない演技で106.98点をマークし、4年ぶり3度目の頂点に向けて首位発進した。力強いスタートダッシュを決め、自身初の完全制覇を射程に捉えた。26日はサブリンクで調整した。27日のフリーでは最終滑走、日本時間午後10時46分に登場する。
 あふれる思いを解き放った。激しいロックナンバーに乗った羽生は、不敵に笑った。「演技内容自体に満足している。この曲自体が持っているエナジー、振り付けを出し切れた」。全てのジャンプで加点を得て、演技点もトップ。頂点へのポールポジションについた。「心の底から自分の鼓動、呼吸を表現できる」。自らも振り付けに携わった演目に自信をのぞかせた。

 極限まで追い込んだ。昨年12月の全日本選手権以降、前人未到の4回転半を猛練習。体操男子で五輪連覇の内村航平のドキュメンタリーや過去に会話した内容、陸上の理論なども参考に大技習得を目指した。だが、理想と現実のギャップに不安が襲う。「へこんだこともあった。目標としていたものに届かず、結構つらい気持ちもあった」と振り返る。

 その苦悩が羽生を強くした。今大会で4回転半投入は出発3日前に回避を決めたが、気づけば他のジャンプに好影響が出ていた。「遠心力、慣性を取り込むための筋肉がついてきた」。体重は増し、ジャンプの安定感は増した。「その日々があったからこその今なのかな」。ノーミスの力強い演技が、何よりの証明だった。

 戦国時代の軍神・上杉謙信を演じるフリーは、4年ぶり3度目の優勝が懸かる。2位の鍵山と6.02差、3位と出遅れたチェンと8.13差。世界選手権2度の優勝を誇る王者・羽生も、完全制覇はまだない。「何かしら僕がこの世界選手権で、この地で滑った意味を見いだしたい」。2021年3月27日。ストックホルムで、新伝説を刻む。

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