女子50キロ級・須崎 大ケガ乗り越え初五輪切符!伝統の階級で金獲りだ

2021年04月11日 05:30

レスリング

女子50キロ級・須崎 大ケガ乗り越え初五輪切符!伝統の階級で金獲りだ
インド選手(右)に勝利し、ガッツポーズする須崎。五輪代表に決まった Photo By 共同
 【レスリング 東京五輪アジア予選第2日 ( 2021年4月10日    カザフスタン・アルマトイ )】 女子50キロ級は須崎優衣(21=早大)が5人のリーグ戦で4戦全勝で1位となった。2位までの東京五輪出場枠を獲得し、日本協会の選考基準を満たして初の五輪代表に内定。国内争いがし烈な最軽量級で一度は自力での五輪出場を逃しながら、逆転で悲願の切符を勝ち取った。4大会連続でメダルを獲得している伝統の階級で、今夏の頂点を目指す。須崎の内定で女子は正式種目入りした04年アテネ五輪から5大会連続で全階級出場となった。
 須崎らしい天真爛漫(らんまん)な笑顔で初の五輪切符を喜んだ。コーチ、スタッフ陣の祝福に「良かったあ~」と心の底から安堵(あんど)。「ここまで長く厳しい道のりだった。ようやくスタートラインに立てた」。苦難を乗り越えた言葉に実感がこもった。

 4試合全て無失点でテクニカルフォール勝ちし、17、18年世界女王の貫禄を示した。果敢な鋭いタックルから得点を重ね続け、全勝同士の対決となったモンゴル選手との最終戦も約2分で圧勝。「このチャンスを自分の手でつかむという強い気持ちで挑んだ。自分から勇気を持って攻められた」とうなずいた。

 14年から外国勢に無敗を誇る須崎でも、一度は諦めかけた舞台だった。18年の全日本選手権を左肘脱臼とじん帯断裂の大ケガで欠場し、五輪出場枠が懸かる翌年の世界選手権の代表決定プレーオフは宿敵の入江ゆき(28)に敗戦。「これから何のために生きれば良いのか」。眠れず、ふと涙があふれることもあった。それでも自らを奮い立たせて3日後に再びマットに立ち、入江が19年世界選手権での五輪切符を逃したことで道が開けた。

 振り出しに戻った代表選考で入江、リオ五輪金メダルの登坂絵莉(27=東新住建)との三つ巴を制し、今大会の出場権を獲得。コロナ禍による延期も前向きに受け止め、緊急事態宣言下は千葉の実家に戻って早大レスリング部OGの姉・麻衣さんと打ち込みをして感覚を磨いた。「周りの人のおかげで今の自分がいると強く実感している」。家族や仲間、そして代表争いで散ったライバルたち。「勝ち抜いたからこそ覚悟と責任を持って戦いたい」。全てを背負い、金メダルに挑む。

 ◆須崎 優衣(すさき・ゆい)1999年(平11)6月30日生まれ、千葉県松戸市出身の21歳。早大レスリング部OBの父・康弘さんの影響で7歳から松戸ジュニアクラブで競技を始める。中2からJOCエリートアカデミーに入校。世界カデットなど中学時代から国際大会優勝の実績を残し、東京・安部学院高3年時の17年世界選手権では02年大会の伊調馨以来となる高校生Vを達成。18年大会も連覇した。1メートル53。

 ▽レスリング東京五輪への道 19年世界選手権で5位までの五輪出場枠を獲得できなかった階級は、同年12月の全日本選手権覇者が五輪アジア予選に出場。2位以上で出場枠獲得とともに代表に内定する。アジア予選で枠を逃した階級は5月6~9日の世界最終予選(ブルガリア・ソフィア)で2位までの枠獲得を目指す。
 

おすすめテーマ

2021年04月11日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム
`; idoc.open(); idoc.write(innerHTML); idoc.close(); });