橋本大輝、15点台4連発で個人総合大逆転V 19歳が新エース名乗り 5月のNHK杯2位以内で五輪決定

2021年04月19日 05:30

体操

橋本大輝、15点台4連発で個人総合大逆転V 19歳が新エース名乗り 5月のNHK杯2位以内で五輪決定
ゆかの演技を終えてガッツポーズをする橋本大輝(代表撮影) Photo By 代表撮影
 【体操全日本選手権最終日 ( 2021年4月18日    群馬・高崎アリーナ )】 鮮やかな逆襲で体操ニッポンの新エースに名乗りを上げた。男子個人総合決勝が行われ、橋本大輝(19=順大)が合計173.365点で初優勝。16日の予選は7位と出遅れたが、この日は19年世界選手権金メダル(88.772点)に肉薄する88.532点のハイスコアを叩き出した。全日本の得点を持ち越すNHK杯(5月16日、長野)の2位以内で、東京五輪代表に決定する。
 橋本が黄金のポテンシャルを解き放った。最終種目の床運動を終えると何度もガッツポーズを見せ、両手を振り上げて観客をあおった。「最後の床は気持ち良く演技して、笑って終わりたいと思っていた。笑顔で終われて良かった。優勝できて、凄く大きな経験になった」。驚異の逆襲劇で、19歳が初めて日本の頂に駆け上がった。

 16日の予選は、あん馬で2度落下して首位の北園と2.499点差の7位。「ほぼ優勝は不可能な位置だったけど、諦められなかった」。決勝の1種目目は因縁のあん馬。大きなミスなくクリアし、3種目目の跳馬からは種目別のスペシャリストに匹敵する15点台を4連発。「追われるよりも、追う方が面白い。攻めることができた」と胸を張った。

 5位だった昨年12月の全日本以降、約4カ月で技の難度を示すDスコアを1点以上アップ。この日のDスコアは合計36.6点だったが、37.1点の演技構成を持つ。並行して心も磨いた。これまであまり本を読まなかったが、3月には心の仕組みやポテンシャルの引き出し方などについて書かれた「ヤバい集中力」を読破。「一つ一つ丁寧にできたのは、集中できたってことかな」と笑った。

 88.532点は19年世界選手権で優勝したナゴルニー(ロシア)の88.772点に肉薄するハイスコア。それでも、19歳に満足感はない。試技会では89.2点をマークしたこともあり、「完璧にやれば90点も可能だなって思っています」。Dスコアを37.4点に引き上げる可能性もあり、前人未到の大台を視界に捉えている。

 3位までが0.669点差内にひしめく中、2位以内で五輪代表に決まるNHK杯に臨む。「守るつもりはない。攻めて攻めて、世界最高得点を取ってアピールできるように準備する。日本のエースと言われるように頑張りたい」。

 8月7日生まれで両親は「大輝」という名前に、「大きく夏に輝けるように」という願いを込めた。黄金に輝く夏へ。体操ニッポンの新王者が、強く美しく進撃する。

 【橋本大輝(はしもと・だいき)】 ☆生まれとサイズ 2001年(平13)8月7日生まれ、千葉県成田市出身の19歳。1メートル66、57キロ。

 ☆体操歴 6歳で体操を始め千葉・佐原中から市船橋高に進み、現在は順大2年。

 ☆主な実績 16年の全国中学校大会は右足首骨折の影響で2種目しか演技できずに最下位。全国高校総体は18、19年に団体総合で連覇、個人総合は2年連続で2位。19年世界選手権には白井健三以来となる高校生代表として出場した。

 ☆憧れの選手 順大の先輩で16年リオデジャネイロ五輪団体総合金メダルメンバーの田中佑典(コナミスポーツ)。

 ▼男子団体メンバーの東京五輪への道 枠は4。全日本選手権の得点を持ち越す5月のNHK杯で、上位2人が代表に決定する。残りの2人は、6月の全日本種目別選手権(高崎)も含めて代表2人との組み合わせで最もチーム貢献度が高くなる選手を選ぶ。五輪の個人総合には団体メンバーが出場する。

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