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【玉ノ井親方 視点】見応えある一番で大の里撃破 3敗の若隆景にもチャンスはある

2024年09月19日 19:24

相撲

【玉ノ井親方 視点】見応えある一番で大の里撃破 3敗の若隆景にもチャンスはある
<大相撲秋場所12日目>大の里(右)を寄り切りで破る若隆景(撮影・藤山 由理) Photo By スポニチ
 【大相撲秋場所12日目 ( 2024年9月19日    両国国技館 )】 見応えのある一番だった。全勝の大の里に土をつけたのは三役でもなく、幕内上位でもなく、前頭7枚目の若隆景だった。
 ただ、番付は幕内中位とはいえ優勝経験のある実力者だ。大関候補を撃破しても何ら不思議ではなかったが、勝ちっぷりが見事だった。

 二本差してもろざしになり、相手の懐に入る理想の形。だが、前に出ようとしたところで、大の里に左から強烈な突き落としを見舞われ態勢を崩す。

 それでも、体をくの字に曲げながら踏ん張る。窮地を脱し再びもろ差しになると、土俵際でうっちゃるように体を入れ替え寄り切った。

 1メートル92、182キロの大の里の巨体を振り回したパワーもさることながら、相手に押されても最後は勝ち切る相撲のうまさが光った。

 大の里は懐に入られるのを警戒して、もろ手突きで若隆景の上体を起こしてから右を差す狙いだったと思う。突っ張って土俵際まで追い込み、二本差された後も突き落としで反撃。終始攻めていたのは大の里だった。だが、それでも勝てなかった。若隆景の下半身の強さが生きる粘り勝ちだった。

 これで優勝争いは、が然、面白くなった。大の里が1歩リードしているのは変わらないが、2敗の霧島、高安、3敗の若隆景、錦木までチャンスはある。大の里には大関戦も残っている。千秋楽まで何が起きるか分からない。
  (元大関・栃東)

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