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“名手”市原弘大の即効レッスン ⑫距離のあるバンカーショット

2024年09月20日 12:00

ゴルフ

“名手”市原弘大の即効レッスン ⑫距離のあるバンカーショット
ボールは左足かかとの前、肩幅よりもスタンスを広げて重心を少し下げる Photo By スポニチ
 アマチュアゴルファーにとって難しい状況の一つに、ピンの位置から遠いバンカーショットがあります。ガードバンカーから30ヤード以上の距離が残ることもあるでしょう。なかなかハードルが高い場面です。市原弘大プロによれば、この場合は打ち方を変えるよりも、クラブを替えるべきだと言います。さらに、キャリーよりもランが増える打ち方もあります。その方法とは?
 アベレージゴルファーの中には、砂を取る量でバンカーショットの距離を調節しようとする人がいます。確かに、砂を取る量が多ければ、あまり飛距離が出ず、反対に砂を取る量が少なければ、飛距離は出るでしょう。しかし、そんな繊細な打ち分けを成功できるでしょうか。

 例えば、ボールからピンまで距離がある場合、砂を薄く取ろうとします。一つ間違えば、ボールをクリーンに打ち、ホームランになってしまいます。また、砂を多く取ろうとした結果、バンカーからボールが出ないことも十分あり得ます。

 ツアープロは、たとえ高度な技術を持っていても、常に確率が高い打ち方を選択します。距離のあるバンカーショットでもそれは同じです。アベレージゴルファーもまずは、確実にボールを出し、グリーンに乗せた後、転がってピンに寄るショットを選択するのが賢明です。

 使用クラブは、ランを稼ぎたいので、SWよりもロフトの小さいAW、もしくはPWを選択します。アドレスではクラブフェースを時計の1時ぐらいまで開きましょう。フェースを開いてからクラブを握るのがポイントです。

 ボールの位置は左足かかとの前。肩幅よりもスタンスを広げて、重心を少し下げます。スタンスの向きはスクエアで構いません。両手の位置は体の真ん中です。

 手首のコックは使わずに、体の回転でクラブを上げたら、ボールの手前を少しダフらせるイメージでヘッドを下ろしましょう。基本的にはピンまでの距離があっても、ボールの手前にある砂を爆発させて打つエクスプロージョンになります。

 ただし、私がいうエクスプロージョンは、クラブヘッドを鋭角に下ろす打ち方ではありません。むしろ、緩やかな角度で下ろし、そのまま目標に向かって平行移動するようにクラブを振り抜く打ち方です。厳密に言えば砂の中ですが、ヘッドを砂の上で滑らせていくイメージです。フェースを少し開いている分、深く潜らずに滑ってくれます。

 それでは距離が出ないと思うでしょうが、心配ありません。AW、PWにはSWよりもロフトがある分、たとえダフらせてもグリーンに落ちてから転がる距離が長くなるからです。

 注意点はインパクトでスイングを終えないこと。必ずフィニッシュまで振り抜きましょう。その際、グリップエンドが自分のヘソを常に向けておくイメージでスイングすることです。

 距離感はスイングの大きさで調整します。目安としては、時計の10時から2時までの振り幅で40ヤードぐらいです。AWかPW、パワーによっても異なるので、自分なりの30ヤード、40ヤードの振り幅を見つけておきましょう。

(取材協力=千葉・北谷津ゴルフガーデン)

 ◇市原 弘大(いちはら・こうだい)1982年(昭57)5月29日生まれ、東京都出身の42歳。3歳からゴルフを始め、埼玉平成高時代には日本ジュニア優勝。01年にプロ転向し18年ツアー選手権森ビル杯でツアー初優勝。同年ダンロップ・フェニックスで2勝目を挙げている。1メートル71、78キロ。

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