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二所ノ関親方 初日から力を発揮できることが優勝争いに重要

2024年09月24日 04:55

相撲

二所ノ関親方 初日から力を発揮できることが優勝争いに重要
大相撲秋場所初日、熱海富士(下)をはたき込みで破る大の里 Photo By スポニチ
 【二所ノ関親方・秋場所総括】スポニチ本紙評論家の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)が今場所を総括した。
 関脇が活躍する場所は面白いと言われていますが、2大関が早々と脱落した中で大の里が場所を盛り上げてくれました。本人もコメントしているように優勝への分岐点は初日の熱海富士戦。苦しい流れの中で逆転で勝利を拾えたのは大きかった。ラッキーなところもありましたが、土俵際の残り腰があったからの勝利。普段の鍛錬の必要を再確認できたことでしょう。

 実は、8月の夏巡業から戻ってからの大の里は少し疲れが見えました。場所前の2週間は適度に休息も入れての調整。うまくコンディションを戻せたのが良かった。大関に昇進すれば常に優勝争いをする安定感が求められます。前半の取りこぼしはボディーブローのように効いてきます。心身ともに初日に力を発揮できる状態にすることが今後も大きなテーマとなるでしょう。

 稽古や相撲への向き合い方も大事になります。協会の看板力士になるのだから巡業などで自分の背中を見せるくらいの行動、言動を意識してほしい。デビューして2年もたっていませんが、自分が引っ張っていくんだという気構え。うるさいことを言う兄弟子、親方は減っていきます。自らきついことをやっていかないと成長は見込めません。

 大関2人は場所前の期待からは程遠いものでした。ともに8勝止まり。土台がしっかりしていないので粘り強さを感じません。豊昇龍は時折強さを発揮するものの、投げにこだわって墓穴を掘る相撲も相変わらず多い。琴桜は何をしたいのか分からないような相撲もあった。10勝はできても飛び抜けるような成績が見込めません。相手が両者の攻略法をつかんでいる印象もありますので、根本から見直すくらいの覚悟が必要です。

 若隆景が完全復活しました。ぶれない腰の位置と強烈なおっつけ。相手に何もさせなかった千秋楽の高安戦は、らしさ全開でした。サイズが小さいので15日間疲労を残さない戦いができれば大関が見えてきます。(元横綱・稀勢の里)

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