よく“足がつる”のはストレスが原因?自律神経と足の健康の「深~い関係」
2024年09月27日 09:00
ストレスが体に与える悪影響は計り知れませんが、その中でも意外な影響の一つに「足がつる」という現象があります。自律神経のバランスが崩れることで、筋肉が異常に緊張しやすくなり、足がつりやすくなることがあるというのです。
この記事では、ストレスと足のつりの関係、自律神経がどのように影響を与えるのかを解説し、予防法についても紹介します。監修は、プロ野球選手やボートレーサーなどアスリートのパーソナルサポートを行う、株式会社脳レボ代表の川谷潤太さんです。
ストレスが多いと足がつりやすくなる?
足がつる原因は水分やミネラル不足、運動不足などさまざまありますが、くわえてストレスが多いことは自律神経の乱れにつながり、足のつりやすさにも影響を及ぼします。
なぜストレス=自律神経の乱れ=足のつりに繋がるのか
自律神経(交感神経と副交感神経のバランス)は体温や心拍数などを調整し、体調を健康に保つ役割を担っています。
たとえば、交感神経は筋肉を収縮させ体温を上げるといった緊張状態を、副交感神経は筋肉を弛緩させて体温を下げるといった休息状態を作ります。
ストレスがかかると、交感神経優位になり、結果的に筋肉の収縮が促進されます。緊張した際に手足が冷たくなることがありますが、これも交感神経の影響で、筋肉が収縮するので血行が悪くなり、筋肉に血液や酸素が届きにくくなります。
これらが重なるため、ストレスは足がつりやすくなることにつながると言えるでしょう。
次:ストレスによる足のつり、予防方法は?
ストレスによる足のつり、予防方法は?
自律神経を整える
自律神経を整える、つまりストレスコントロールが重要です。
ストレスをゼロにすることはできませんので、自分に合ったストレス解消方法を見つける、リラックスできる時間を持つ、睡眠をしっかりとる、深呼吸、瞑想やマインドフルネス、心地の良い運動などを取り入れて自律神経のバランスを整えることで、足がつるのを予防できるでしょう。
すぐにできる自律神経対策は「呼吸」
すぐにできる自律神経対策は「呼吸」がもっとも手軽です。鼻からおおきくゆっくり吸って、口からゆっくり吐く。呼吸は副交感神経を優位にするのでその場でも効果があります。
また就寝前に行うと睡眠の質を高めて疲労が取れやすくなるため、足がつりにくい体作りにもつながります。
生活習慣では以下も自律神経を整える方法として有効です。
- 湯船に浸かってゆっくり暖まる
- 部屋の照明を消して就寝する
水分とミネラル補給を意識する
マグネシウム、カルシウム、カリウムを多く含む食品(バナナ、ナッツ、緑の葉野菜、乳製品など)を意識して摂ることで、足がつりにくい体を作ります。
とくに現代の日本人にとってはカルシウムを摂ることが最も効果的で、これはストレス軽減や、肉離れ・疲労骨折の予防にも最適です。
また、十分な水分摂取も重要です。脱水症状は筋肉がつる原因の一つとなるため、とくにストレスがかかる日や運動後には、水分をしっかりと補給しましょう。
定期的に軽い運動をする
ウォーキングやヨガなどの軽い運動は、血流を改善し、筋肉をリラックスさせる効果があります。運動はストレス解消にも役立つので一石二鳥ですね。
就寝前や起床後につりやすい部位のストレッチを行うことも有効です。
しっかりと睡眠時間を確保する
睡眠不足や質の悪い睡眠は、ストレスを増大させ、筋肉の回復を妨げます。朝スッキリ目が覚めるくらいの睡眠時間を確保しましょう。
それでも足がつってしまった! 緊急対処法は?
ふくらはぎがつった場合
足のつま先を持ち、足の甲を自分の方に引き寄せるようにして、ふくらはぎの筋肉を伸ばします。
足の裏がつった場合
床に足を置き、足の裏を伸ばすように体重をかけながら前屈します。または、足指を手で掴み、まとめて自分側に引っ張ります。
足の甲がつった場合
つま先を床や手で軽く押し、足の甲を伸ばすようにします。足の甲全体をやさしくマッサージする、足指を動かす、足首を回すのもよいでしょう。
足の指がつった場合
足の指を手でゆっくりと引っ張って、つった指を優しく伸ばします。また、円を描くようにマッサージすると、血流が促進され、つりが緩和されることも。
「足がつる」と「こむら返り」は何が違う?
そういえば、「足がつる」と「こむら返り」は同じ意味なのでしょうか? どちらも足の筋肉の痙攣を指しますが、以下のような違いがあります。
足がつる
つる部位:ふくらはぎ、足の裏、足の甲、足の指など複数を指す
こむら返り
つる部位:ふくらはぎのみを指す
こむら返りは、「足がつる」のうちのひとつと考えると分かりやすいでしょう。
監修者プロフィール
川谷 潤太 / 株式会社脳レボ
兵庫県神戸市出身。学習塾の講師時代、当時最年少で校長に就任後、1教室で1,000名以上の生徒が通う西日本最大の学習塾へと発展させ、講師としても3年連続で支持率第1位の実績を持つ。
その後、岡山県の創志学園高校へ赴任し、学校改革と3つの部のチームマネジメントを担当。創部1年、全員1年生で甲子園出場の記録をもつ硬式野球部では3季連続甲子園出場し、プロ野球選手も4名誕生。ソフトボール部では3季連続日本一、柔道部でも日本一や世界一の選手を輩出した。
現在はプロ野球選手などのアスリートやスポーツチームへのメンタル指導、子ども・保護者・教員向けの教育講演、主には企業の人材育成に携わり、講演や研修、コンサルなどで日本中から依頼が殺到し、講師デビュー7年で、講演回数1,300回、受講者は10万名を突破。心理的および生理的要因から、ベストパフォーマンスを引き出す専門家として活躍中。
<Edit:編集部>