森繁和氏が語る球界の“今”…「全権監督」の存在と「選手優先」の環境がトレードの概念変える

2021年03月02日 06:30

野球

森繁和氏が語る球界の“今”…「全権監督」の存在と「選手優先」の環境がトレードの概念変える
スポニチ本紙評論家・森繁和氏 Photo By スポニチ
 開幕まで1カ月を切った状況での、巨人とヤクルトの同一リーグ2球団による田口と広岡の交換トレード。長くユニホームを着て編成の現場も熟知している元中日監督の森繁和氏(66=スポニチ本紙評論家)はどう見たか。浮かび上がったのは全権監督による意思決定のスムーズさと、「選手ファースト」ともいえる球界を取り巻く環境の変化だ。
 もちろん驚きはあるが、今回のトレードは即断即決の巨人・原監督らしい、ともいえる。編成権を持った「全権監督」。私がヘッドコーチなどを務めていた当時の中日・落合監督もそうだった。

 例えば「左の外野手」「右の代打」などチェック指令が出れば、球団はその号令を基に普段からアンテナを張り巡らせる。意思決定もスムーズに運ぶから、いざトレードを実行する時も時間がかからない。楽天・石井監督もGM兼任。こちらも先日、トレードを成立させたばかり(2月27日に池田隆を放出し、日本ハムから横尾を獲得)だが、この2人の動きが目立つのは偶然ではない。

 東京の球団同士のトレード。距離が近いがゆえに「お互いに困っているのなら」という思惑も感じる。私自身も選手の移籍は積極的にやるべき、との考えだが、昔と違って今は「選手ファースト」の時代になった。「飼い殺し」などの言葉もかつては聞かれた。しかし例えば1、2軍を行ったり来たりしているような選手は他球団に求められるなら移籍させるのは今や球界のスタンダードとなりつつある。「もし他球団で活躍されたら…」などの損得勘定ばかりでは球界の活性化にはつながらない。

 日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の間では、出場機会の少ない選手を救済する「現役ドラフト」の話が進んでいた。原監督も先日、春季キャンプでの「招待選手」制度を提唱したばかりだ。人が行き来すればエネルギーが生まれる。コロナ禍で野球ができるかどうか、という時代。移籍の活性化は球界全体の利益になるだろう。
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