亀山つとむ氏 本塁打以上に驚がくだった阪神・佐藤輝の二塁打 攻められ方を予測し準備していた
2021年03月11日 06:00
野球

普通なら、速い球を見せられた後は「振り遅れてはいけない」という意識が働き、少し速く振りに行ってしまう。その結果、あの緩い変化球を待てずに体が突っ込んでしまい、引っかけるか、空振りになる。だが彼は「抜かれた」と思ってからグッと我慢し、軸で回って、打ってから泳ぐ感じだった。しかも上からたたけてもいた。普通は泳ぐとバットのヘッドが下がって、拾いに行く感じになる。それが上からたたけているということは、ギリギリ自分が振れるところまで、ボールを呼び込めていたことを意味する。その後の走塁にも好感が持てた。
もちろん、本塁打も素晴らしかった。守備でミスをした直後の打席。常人なら「ミスを取り返そう」と思って力も入るはずだが、彼は違う。ミスはミスとして切り離し、切り替えられるのだろう。凄い。まだ開幕していないが、もう考え方は「プロ」と言える。
最後に、打順について。矢野監督はすでに6番起用の可能性を示唆したようだが、私も6番がいいと考える。一発のある佐藤輝が6番に入れば、相手も嫌がるはず。その存在感が、チームに相乗効果をもたらしてくれるとみる。