東海大甲府の若山が犯したボークの理由と聖地で見せた意地

2021年03月21日 20:51

野球

東海大甲府の若山が犯したボークの理由と聖地で見せた意地
<東海大甲府・東海大相模>11回をひとりで投げ切るも力尽き、涙の東海大甲府・若山(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 20日に行われた第93回選抜高校野球大会第2日目の第3試合は東海大相模(神奈川)と東海大甲府(山梨)が対戦。センバツ史上初の東海大系列校同士の戦いは延長11回の末に3―1で東海大相模が制した。
 東海大甲府のエース左腕の若山恵斗(3年)は延長10回まで1失点に抑えたものの、11回に2本の適時打を許して涙の敗戦投手となった。だが、初の甲子園大会で好投と見事な修正力を見せた。

 若山は打者の内角を強気に突くマウンド度胸が武器だが、左投手ならではの一塁けん制も得意。昨秋の関東大会1回戦の細田学園戦では一塁けん制で3つのアウトを奪った。

 記者は元NPB審判員なので規則は把握している。若山が関東大会で見せたけん制は足を上げる速度やタイミングを工夫したもので、ボークの要素はなかった。本人も「まだ首を使ったけん制(首を振ることで走者に打者へ投げると思わせるけん制)はしていません」と話し、もう1段階巧みに投げるけん制の存在をほのめかした。※規則上、首から上はどのように使ってもボークとはならない

 その持ち味であるけん制を聖地でも使ったが、東海大相模はその存在を知ってか、5回までアウトを取ることはできなかった。
 そして0―0で迎えた6回。先頭打者に左前打を許すと、若山は宝刀を抜いた。一塁けん制で走者の逆を突いて「アウト!」と思われた瞬間、一塁塁審はボークを宣告。試合後、若山もボークの理由は不明としたが、記者は一塁塁審の好判定と感じた。

 若山は右足を上げた後に膝を曲げた。これは投球に関係する動作だ。そこから一塁にけん制球を投げたので、おそらく投球動作の変更が適用され、ボークとなった。苦しい投手戦で規則ギリギリのけん制を繰り出した若山には同情したが、一度きりの機会でボークを宣告できた審判員はさすが甲子園大会に選抜された精鋭だ。

 だが、若山の凄さはここからだった。ボークで進塁した走者は暴投で三進したが、この回を無失点に抑え、9回には一塁に真っすぐに踏み出すように修正したけん制で一塁走者をアウトにする意地を見せた。

 この試合の若山は打者に対して変幻自在の攻めを見せたが、けん制1つとっても、試合の中で高い修正力を見せた。かつて甲子園で活躍したサウスポーだった村中秀人監督の指導の下、この投手はまだまだ大きくなる。(柳内 遼平)
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