ハマで輝くDeNA期待のルーキー牧が語る「会心の一撃」「プロの洗礼」「ライバル」

2021年05月07日 05:30

野球

ハマで輝くDeNA期待のルーキー牧が語る「会心の一撃」「プロの洗礼」「ライバル」
DeNAに新風を吹き込む期待のルーキー牧(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 10勝22敗4分けで最下位に低迷するDeNAで、ファンの希望の光となっているのがドラフト2位の牧秀悟内野手(23)だ。ここまで35試合に先発出場してリーグ9位の打率・289で6本塁打、23打点。売り出し中の阪神のドラフト1位・佐藤輝明外野手(22)に匹敵する成績を残し、チームに新風を吹き込んでいる。活躍の要因や誰からも愛される人柄に迫った。(聞き手・大木 穂高)
 ――新人ながら開幕からチーム36試合中、35試合に先発出場。積極的に起用してくれている三浦監督から言われていることは?
 「“スタメンだから頑張れ”とか、そういう言葉はない。とにかく“自分らしいプレーをしろ”と。その言葉は常に胸にあります」

 ――自分らしさとは?
 「初球から積極的に打っていくこと。三振は一番嫌い。だから三振はしたくないです」

 ――キャンプからプロの壁を次々と乗り越えているが、開幕12試合目だった4月8日の中日戦を終えた時点で打率が最高の・431(51打数22安打)。当時好調だった要因は。
 「相手に自分のデータが少なかったことはあると思う。だけど、その中で、直球なら直球と的を絞り、体がスムーズに動いていた。読みもさえていました」

 ――読みがさえた納得の一打は?
 「その中日戦の一打で、松葉さんから(6回に)打った左越えの本塁打です。この時は直球ではなく、初球にカーブを待った。前の打席で初球のカーブを見逃していたので。その読みが、ピタリとはまりました」

 ――その後は成績が下降線をたどった。
 「配球が変わり、疲労も重なってきて、読みが当たってもファウルになり始めました。フォークとか落ちる球種も増え、打率も落ち始めました」

 ――一時は・281まで落ちた打率は現在は・289。
 「一時の不振は抜けたと思います。体がまた動き始めたことが大きい。落ちる系の球種の軌道も頭に入れ、今月4日の中日戦で(2回に)大野(雄)さんから打った中越え二塁打もツーシームをうまく打てました」

 ――プロが夢から目標に変わった瞬間は?
 「(19年7月20日の)大学日米野球でバックスクリーンに本塁打を打った。その時に“俺もプロを意識できるかな”と思いました」

 ――同僚でドラフト1位の入江の存在も刺激になるか?
 「寮でいつも一緒にお風呂に入るのが入江で、よく話します。その日のことや、お互いの結果について。入江の存在は大きいです」

 ――阪神・佐藤輝はここまで打率・263、9本塁打、25打点。ライバル心は?
 「自分は佐藤のように豪快な一発は打てないし、本塁打を狙うタイプの打者でもない。でも、負けられない気持ちは常にあります」

 ――改めてプロは大学時代とは違うか?
 「大学では投手不利のカウントでは必ず甘い球が来た。プロはカウントに関係なく厳しい球が来る。それを乗り越えないとですね」

 ――今後の目標を。
 「個人的な数字を残す、というよりチームの戦力になりたい。戦力として必要と思われる、そういう存在でいたいと思っています」

 ≪中学時代、リンゴ畑の坂道ダッシュで下半身強化≫牧が最初にプロ野球に憧れを抱いたのは小学生の「キングアニマルズ」時代。「巨人戦の中継を毎試合見ていた」と明かす。

 そして「中学時代に学んだことは忘れない」と語るように若穂リトルシニア時代に心身ともに急成長する。現在太腿回り69センチの強じんな下半身の基礎をつくり上げたのは、リンゴ畑の中にある約50メートルの坂道。「10本もダッシュすれば足がパンパン」と振り返る。

 牧は若穂リトルシニアの1期生で、指導した滝沢栄監督(66)は「打撃は非凡。入部時が身長は1メートル55で卒業時は1メートル73。将来的に1メートル80を超えたらプロに行けるかなと思った」と懐かしそうに振り返った。

 ≪球団新人最高打率&54年ぶり規定打席到達なるか≫牧はチーム2冠となる6本塁打、23打点で、打率は2位の・289(セ9位)。DeNAの3部門の新人記録を調べると、本塁打は31、打点は84で、いずれも大洋時代の59年に桑田武がマークしたもの。本塁打はプロ野球記録でもあり、高いハードルだが、打点は現在のペースなら91まで届き、更新の期待が持てる。

 また、最高打率は58年近藤和彦の・270で、直近の規定打席到達者は67年の松岡功祐(ともに大洋時代)。球団54年ぶりの新人規定打席到達を果たし最高打率を残せるかにも注目だ。

 ◆牧 秀悟(まき・しゅうご)1998年(平10)4月21日生まれ、長野県出身の23歳。小1から野球を始め、松本第一では甲子園出場はなし。高校通算11本塁打。中大で東都大学リーグ通算5本塁打で、3年春に首位打者、同秋にMVPを獲得。3年時の日米野球で大学日本代表の4番に座り、昨年ドラフト2位で入団。1メートル78、97キロ。右投げ右打ち。

 ≪取材後記≫長野県出身で祖父がリンゴ農家。地元への愛は強く「松本市内に“がったぼうず”というラーメン店があって、こってり系もあっさり系もおいしい。高校の部活のオフによく行っていた」と笑う。牧は好きな女性のタイプを問われた際に「(女優の)中条あやみさんです。大学4年の頃からファンです」と即答。「普段は明るいけど仕事への取り組みが真剣な人のイメージ」と真剣な表情で理由も語ってくれた。

 昨年と同様、今季もコロナ下で取材する機会は少ない中、オンラインながら新人とこんなトークをする機会もなかったので、とても新鮮だった。(DeNA担当・大木 穂高)
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