大谷が宣告された2つのボーク 元NPB審判員記者が検証

2021年06月12日 20:32

野球

大谷が宣告された2つのボーク 元NPB審判員記者が検証
ダイヤモンドバックス戦の5回、二塁へのけん制時の動作をボークと判定されたエンゼルス・大谷(AP) Photo By AP
 【インターリーグ   エンゼルス6ー5ダイヤモンドバックス ( 2021年6月11日    フェニックス )】 エンゼルスの大谷翔平投手(26)は11日(日本時間12日)、敵地でのダイヤモンドバックス戦に「2番・投手」で先発出場。自身3勝目はならなかったが、5回5安打2失点。打っては4打数2安打1打点だった。 5回は2四死球などで2死一、二塁とし、ボークで二、三塁とすると、再びボークで失点。「久々にマウンドでイライラしてしまった部分がある」と振り返った。
 記者は元NPB審判員で2軍戦、オープン戦も含めて6年間で700試合以上を担当。30個以上のボークを宣告した経験がある。今回、宣告された2つのボークを公認野球規則に則り、検証したい。

 1つ目のボークは一、二塁で大谷が二塁へのけん制のために、軸足の右足を後方に外し、二塁方向に体を反転させたところで宣告。映像で確認した記者はボークの動きはなかったと見たが、状況と宣告のタイミングを考慮すると「投球動作の変更」が適用された可能性が高い。

 規則では【投球動作を起こしたならば、その投球を完了しなければならない】※抜粋して表記※とあり、上体や足の動きから“投球動作を開始してから、けん制の動作を行った”と判断されたと思われる。

 ちなみに二塁には投手板に触れている状態で偽投(投げるふり、またはステップする動作)が許されているため、投手板を外した云々はボークに関係しない。

 2つ目の判定に関しては映像でボークであることが確認できた。規則では【完全に動作を静止したとき、セットポジションをとったとみなされる】とある。大谷のグラブは静止していたが、三塁側からの映像が投球するまで動き続ける左足を捉えていた。

 もちろん、静止に関してはジャッジメント(審判員の判断)の要素が大きく、これをボークと見ない意見もあるだろう。

 2つのボークについて言及したが、記者の所見は限られたアングルのカメラ映像に基づいたものだ。ベストアングルは現場にあり、4方向から見ている現場の審判員がボークと判断できる根拠を見つけた上で、宣告したという事実がある。

 例えば、三塁塁審は右投手である大谷の両足の動き、グラブの動きを正面から確認している。

 メディアには2つ目のボークについて「この世界であり得るはずがない」といった意見も掲載されたが、現場の審判員は明確な根拠がなければ、ボークは宣告しない。これはどこの国、カテゴリでも変わらないだろう。(柳内 遼平)

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