巨人・丸が均衡破った!延長10回代打満弾 不振スタメン落ちもここぞで一発 交流戦首位タイ浮上

2023年06月09日 05:30

野球

巨人・丸が均衡破った!延長10回代打満弾 不振スタメン落ちもここぞで一発 交流戦首位タイ浮上
<オ・巨> 延長10回、満塁弾を放つ丸(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【交流戦   巨人6―0オリックス ( 2023年6月8日    京セラD )】 巨人は8日のオリックス戦を延長戦の末に制し、交流戦首位タイに浮上した。0―0の延長10回2死満塁から代打で起用された丸佳浩外野手(34)が中越えへ、自身通算5本目となるグランドスラム。チームとして8年ぶりの「代打満塁弾」で2カードぶり勝ち越しを決め、勝率5割に復帰した。5勝4敗で巨人、DeNA、オリックスなど6チームが並び、大混戦の様相を呈してきた。
 誰が予想しただろうか。9回まで0│0。白熱の投手戦も、延長10回、スコアボードには均衡を一気に破る「4」が刻まれた。交流戦首位タイ浮上へ導いた立役者は、代打で起用された丸だ。

 「凄くいい感触。ホームランは出来過ぎですけど、ワンチャンス、そういうところで打てて良かったです」

 10回2死満塁。本田のスライダーをはじき返した打球は、背走する中堅・佐野皓の頭上を越え、バックスクリーンを直撃した。ベンチでは原監督が大きく目を見開いて万歳だ。19年8月29日の広島戦以来、自身5本目の満塁弾。代打では10年ぶり2度目の劇弾に「なんとか点を取るというベンチの雰囲気に、僕も乗らせてもらった」と一丸を強調した。

 前日まで13打席無安打の不振で5月30日以来のスタメン落ち。思うような結果が出ず、今月に入り右脚を高く上げるフォームに戻した。「もどかしい思いはあった」。チームに貢献できなかった悔しさを1打席にぶつけ、5月4日から始まった木曜日の連勝を6に伸ばした。

 安心してください、体が硬くても││。先日、英国の人気オーディション番組で決勝進出を決めたお笑い芸人・とにかく明るい安村の決めぜりふ「安心してください、はいてますよ」ではないが、体の硬い丸は正座をすることも、あぐらをかくこともできない。「なんとかなります。地べたに座るときは足を伸ばすか女の子座りです」。遊撃手として千葉経大付に入学した当時、恩師の松本吉啓監督に股関節の硬さを指摘され、外野手転向を余儀なくされた。

 それでも今季でプロ入りから16年。ゴールデングラブ賞7度、ベストナイン6度の球界屈指の外野手に成長したのだから人の運命は分からない。「(体の硬さは)関係ないです。メジャーリーガーにも硬い人はいますから」。体が硬くても一流になれる。未来の野球選手たちを勇気づける一発となった。(花里 雄太)

 ≪2球団で代打満弾は6人目≫丸(巨)が延長10回に代打満塁本塁打。満塁弾は19年8月29日広島戦以来5本目で、代打に限ると広島時代の13年5月12日中日戦以来10年ぶり2本目だ。2球団で代打満塁弾をマークしたのは江藤智(広=90年、巨=00年)以来23年ぶり6人目となった。また、巨人の代打満塁本塁打は15年8月12日DeNA戦の堂上剛裕以来だが、延長戦に限ると60年8月21日国鉄戦の国松彰=10回、98年7月29日ヤクルト戦の石井浩郎=10回に次いで25年ぶり3人目だ。

 ≪44年ぶり“打線爆発”≫延長戦のイニング最多得点はヤクルトが19年4月10日広島戦の10回に挙げた12点。巨人の6点は53年8月12日洋松戦の11回、79年7月15日中日戦の11回に並ぶ44年ぶり3度目の最多タイとなった。また、延長回に2本塁打したのは77年4月22日広島戦の10回(高田繁、王貞治)以来46年ぶり。

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