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松坂大輔氏 お祭りでもスマートな今永の思考に感服「出力の出し方」つかむきっかけ模索

2024年07月18日 01:30

野球

松坂大輔氏 お祭りでもスマートな今永の思考に感服「出力の出し方」つかむきっかけ模索
スポニチ本紙評論家・松坂大輔氏の取材を受けるカブス・今永昇太(撮影・杉浦 大介通信員) Photo By スポニチ
 【オールスター・ゲーム   ナ・リーグ3―5ア・リーグ ( 2024年7月16日    アーリントン )】 【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】スポニチ本紙評論家の松坂大輔氏(43)が、テレビ朝日の取材で球宴の行われた米テキサス州アーリントンを訪れた。球場で大谷の豪快な一発を見届け、初出場で好投した今永の球宴らしからぬ冷静かつスマートな思考に感銘を受けた。前日から2日間取材。松坂氏は、選手とファンが一体となってつくり上げる米スポーツの盛り上がりも改めて肌で感じた。
 テキサスは40度近い猛烈な暑さ。日差しが強く、汗が止まりません。それだけに屋根のあるグローブライフ・フィールドは非常に快適な球場でしたね。

 試合は熱く盛り上がりました。まずは大谷選手。各選手のフリー打撃を見ていて、屋根を閉じた中では打球が飛びやすいのかな、と感じました。大谷選手なら多少当たりが悪くても本塁打になるのではと思っていましたが、バットの先でしたが良い打球でしたね。球宴という舞台であろうと、いつも通り。普段通りの準備をして試合に臨んだのだと思います。ただ、表情やリアクションを見ると本人もうれしかったんだろうな、というのが伝わってきました。

 その球宴の舞台で、今後も見据えた投球を行ったのが今永投手でした。試合前のレッドカーペットで少し話をしたのですが、登板予定は1回。短いイニングで目いっぱい投げる感覚を体で覚え、シーズン後半戦の大事な場面でギアを上げる際に「出力の出し方をつかむきっかけになれば」と言っていました。

 まさに「投げる哲学者」。オールスター、ましてや初出場となれば、お祭り気分で周りの雰囲気に流されてしまうこともあると思います。そんな中で冷静かつスマートな思考。勝てる投手、というのは苦しい時でこそギアを上げることができます。その感覚を、短いイニングを全力で投げることでつかむ。試合後には「力みすぎにつながらないように。それを知れたのが良かった」と手応えをつかんだ様子でした。

 投球自体ももちろん素晴らしかった。ゲレロの3球目に空振りを奪いましたが、直球に勢いがありました。多少甘いコースでもファウルにするなど、打者を押し込んでいましたね。前半戦で8勝。後半戦も大いに期待できると思います。

 2日間の取材。MLBに限らず米スポーツは節目節目の試合などの盛り上げ方が非常に上手だなと改めて感じました。選手だけでも、ファンだけでも駄目。例えば球宴なら「オールスターウイーク」と称して一週間かけて、選手とファンと街が一体になって盛り上げていく。日本球界でも同様の形でイベントが開催される日がくれば、と思いました。

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