「一番うまいショートは安達だよ」併殺プレーが美しいと教えてくれたオリックス最高の内野手

2024年09月11日 13:35

野球

「一番うまいショートは安達だよ」併殺プレーが美しいと教えてくれたオリックス最高の内野手
とにかく美しかったオリックス・安達了一の守備 Photo By スポニチ
 【君島圭介のスポーツと人間】オリックスが安達了一内野手の現役引退を発表した。一番好きな遊撃手は誰か?と聞かれればずっと彼の名前を挙げてきた。
 西武入りした源田壮亮がパーフェクトな遊撃守備で一際輝いていた時期。人間離れしたスピードと守備範囲でレフト前ヒットをショートフライに変えてしまうソフトバンク・今宮健太と「どちらが上か」がよく話題になった。

 ただ、私はソフトバンクで今宮の控えに甘んじていたが、ゴロのさばき方は高田知季(現2軍内野守備走塁コーチ)が一番うまいのではないか、と考えていた。

 ある日、ソフトバンクで作戦コーチ(のちヘッドコーチ)を務めていた森浩之氏(現バッテリー・コーディネーター)に「源田も今宮もうまいっすけど、一番は高田っすよね~」などと知ったかぶってみせた。

 すると、森コーチは一言。「ばか。一番うまいショートは安達だよ」。

 それからオリックスの試合では安達ばかり見るようになった。

 うまい。と、言うより美しい。とくに「4―6―3」の併殺。二ゴロに対して安達が二塁ベースに入って封殺してから一塁へのスローイング。その一連の動きは流線型の芸術品のようだった。

 潰瘍性大腸炎の影響で二塁へコンバートされると「6―4―3」に形を変えて目の保養をしてくれた。

 源田が参考にしている遊撃手に安達の名前を挙げたときは何故か面識もない私までうれしくなってしまった。

 安達と同じ難病で苦しむ知人がいたが「日常生活でさえ大変なのに野球なんて…」と感心していたのを思い出す。36歳。オリックス一筋でリーグ3連覇の礎を築いた最大の功労者だろう。

 明大の宗山塁、花咲徳栄の石塚裕惺ら今秋のドラフトは遊撃手が豊作と言われている。

 現役でも広島・矢野雅哉、ヤクルト・長岡秀樹ら“名遊撃手”の候補は着実に育っている。

 だが、引退してもしばらくは名前を使わせてもらうつもりだ。

 「一番うまいショートは安達だよ」

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