阪神来季新監督 藤川球児SA決定的 日米通算245セーブ“松坂世代”が新風吹かせる

2024年10月04日 05:15

野球

阪神来季新監督 藤川球児SA決定的 日米通算245セーブ“松坂世代”が新風吹かせる
次期監督候補に名前が挙がる藤川球児氏(右)と岡田監督
 阪神の来季監督に、OBの藤川球児氏(44)の就任が3日までに決定的になった。昨季リーグ優勝と日本一に導いた岡田彰布監督(66)は2年契約満了のため今季限りでの退任が決まり、既に水面下で打診。3日のDeNA戦でレギュラーシーズンが終了したことで、近く正式要請し、第36代監督が誕生する。現役時代は日米通算245セーブ。20年の引退後はスペシャルアシスタント(SA)として猛虎を補佐してきた。優れたメッセージ力で黄金期の到来を期待される。
 来季が球団創設90周年の節目。甲子園に、タテジマに、あの「球児」が監督として戻ってくることが決定的になった。関係者への取材で判明した。

 レギュラーシーズン最終戦が始まる前に横浜スタジアムで報道陣に対応した粟井一夫球団社長は、岡田監督の去就を含めた編成について「現在もチームが戦っており、現時点ではコメントすることはない。CS、シリーズを勝ち抜きたいと思っている。今後についてはしかるべき時期に公表する」と明言を避けたものの、方向性は固まりつつある。

 昨季リーグ優勝に導いた岡田監督の2年契約満了に伴い、水面下で来季監督の人選を進め、藤川氏側には既に打診を済ませた。レギュラーシーズンの全日程を終えたことで近く正式に要請。来年7月に45歳を迎える藤川氏が第36代監督の座に就く運びだ。

 この4年はスペシャルアシスタント(SA)として球団と関わり、キャンプ訪問では投手に助言を送った。23年からは球団本部付SAとなり、助っ人の発掘にも携わった。こうした実績が評価され、球団内の「現場経験のない1軍監督を起用しない」という意見も退けた。

 現役時代は、長い歴史を持つ猛虎の中でも、ひときわ輝く実績を残した。98年ドラフト1位で入団。先発では芽が出ず、戦力外寸前まで追い込まれながら、第1次政権の岡田監督の下でリリーフ適性を見込まれて飛躍した。勝ちパターン「JFK」の中核を担い、05年の優勝に貢献。代名詞の「火の玉ストレート」は全国のアマチュア投手の憧れの的になった。スピンが利いた直球を武器に07年のセーブ王など日米通算245セーブを挙げた。

 米大リーグ、国内独立リーグを経て阪神に復帰して20年に引退。ユニホームを脱ぐ際には「甲子園球場が母親なら、阪神タイガースは父親。1回、出て行きましたけどね。そんなもんでしょ。子供って」という名言で球団愛を表現した。引退後は球団業務だけでなく、鋭い意見と野球観を持つ野球評論家として、YouTubeなどで人気を博した。

 正式に決まれば、星野仙一以来、阪神でプロ入りした選手では若林忠志、村山実以来、3人目の投手出身監督になる。1980年生まれの“松坂世代”では、平石洋介(18~19年楽天監督、現西武ヘッド兼打撃戦略コーチ)に続く2人目。新世代の波が猛虎にも訪れようとしている。

 ◇藤川 球児(ふじかわ・きゅうじ)1980年(昭55)7月21日生まれ、高知県出身の44歳。高知商では2年夏に甲子園出場。98年ドラフト1位で阪神入り。リリーフ専任の05年から頭角を現し、最優秀中継ぎと最多セーブを各2度受賞。12年オフに海外FA権を行使し、13年からメジャーでプレー。四国・高知を経て16年に阪神復帰し、20年引退。NPB通算782試合で60勝38敗243セーブ、防御率2・08。21年から阪神のスペシャルアシスタント(SA)に就任。06、09年WBC、08年北京五輪日本代表。右投げ左打ち。

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