スケボー中山楓奈「努力」の中で芽生えた五輪への思い 若き女子日本勢が勢力図変える可能性
2020年07月25日 08:45
スケートボード

「オリンピックが今年なくなって驚いたし、残念だなって思いました。でも練習時間が増えたから、もっと(技の)成功率を高くして頑張りたいと思った」
そう語るのは、富山県を拠点に技に磨きをかけている世界ランク15位の中山楓奈(15=ムラサキスポーツ)。受け答えには中学生らしいあどけなさを残すが、スケートボードに乗ると一変する。本格的な海外参戦は14歳だった昨年から。五輪予選の初戦、世界最高峰のプロツアーであるストリートリーグ(SLS)第1戦ロンドン大会でいきなり6位と結果を残し、世界のトップ選手と肩を並べた。そこで感じたのは悔しさか、手応えか。返ってきた答えは純粋だった。「海外の人は上手いなあって思いました」。
取材をする中で度々、スケートボードの選手は競技と純粋に向き合っていると感じる。「楽しい」、「悔しい」、「上手くなりたい」。その思いだけで時間も忘れて滑り続ける。9歳から競技を始めたという中山も同じ。「スケボーを始めたばっかりの頃に、オーリー(板と一緒に跳躍する技)とか基本的な技がなかなかできなくて、パークが閉まった後も何百回と練習していました」。好きな言葉は「努力」。その根底には夢中という2文字も見える。
大会で結果を残すことが全てではないスケートボードが五輪の正式競技となった当初、多くのスケートボーダーは戸惑った。中山も例外ではなかったが、2020年が近付くにつれて心境は変化した。「最初はあんまり目指していなかったけど、いろんな海外の大会に行って出たいなって思うようになった」。各種目につき1カ国3人しか出場できない中、織田ら同世代の存在は「友達だしライバル」という。自覚が芽生えた15歳は、来夏までの1年間で「フロントサイドKグラインド(ボード前方の車軸部分でレールなどをスライドする技)を高いところとかいろんな場所でやって、長く流せるようにしたい」と成長を期する。
織田や中山、世界17位の赤間、18位の西矢らは東京でメダルを期待されると同時に、次世代も担う。日本のお家芸といえば、柔道、レスリング、体操、競泳…。少女たちの存在が、スケートボードがそこに割って入るだけの可能性を持っていると感じさせた。(記者コラム・鳥原 有華)
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