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伊藤美誠 悔しさ99%の銅メダル「うれしさ1あるかな」 打倒中国へ心を切り替え「団体戦は全勝したい」

2021年07月30日 05:30

卓球

伊藤美誠 悔しさ99%の銅メダル「うれしさ1あるかな」 打倒中国へ心を切り替え「団体戦は全勝したい」
<女子シングルス3位決定戦>中国人選手2人の隣で銅メダルを手にする伊藤(撮影・会津 智海) Photo By スポニチ
 【東京五輪第7日 卓球女子シングルス 3位決定戦   伊藤美誠 4―1 モンユ・ユ ( 2021年7月29日    東京体育館 )】 女子シングルスの準決勝以降が行われ、伊藤美誠(20=スターツ)は、日本女子初の銅メダルを獲得した。準決勝で同世代のライバル、孫穎莎(そんえいさ)(20=中国)にストレート負け。3位決定戦で、準々決勝で石川佳純に勝利したユ・モンユ(31=シンガポール)に4―1で勝利した。金を獲得した混合ダブルスに続く2つ目のメダルを手にした。
 こんなはずじゃなかった。3位決定戦でユに勝利した伊藤の目に涙が浮かんだ。うれし涙ではない。悔し涙だ。日本女子初のシングルスのメダルでも満足ができなかった。

 「最終的に勝ててよかったけど、悔しい気持ちが強くて。うれしい気持ちは、(100のうち)1あるかな」

 嘆きの原因は準決勝にある。同じ00年生まれのライバル、孫穎莎に完膚なきまでに叩きのめされた。1ゲーム目を簡単に落として迎えた第2ゲーム。9―3から8連続失点を喫した。サーブで崩されてレシーブが浮き、甘くなったところをことごとく強打された。最終ゲームはサーブミスで試合が終わった。

 打倒中国だけを目指してきた。スピン量が多くなる「中国ラバー」のラケットを独自で数種類取り寄せ、ライバル国の対策を練ってきた。新型コロナウイルスにより中断していた国際大会が8カ月ぶりに開催された昨秋の中国遠征。孫穎莎と対戦しただけでなく、向こうが申し込んできた合同練習も受けた。

 丸裸にされる可能性はある。しかし、逆にプラスに変えることもできる。好奇心の塊は後者を選んだ。「やっぱり自分がまだまだ足りないなと思う点ってたくさんあるので」。課題だったフットワークに力を入れた。足の裏の皮が何度もめくれた。やることはやった。だが相手はそれ以上に強かった。

 孫は、アテネ、北京を連覇して「大魔王」の異名を取った張怡寧(ちょういねい)の後釜として、中国で「小魔王」と呼ばれている。最強国の次世代エースの本気に圧倒された。「たくさん練習したのに、何もできなかった」。過去の6敗にはなかったストレート負けを喫した。

 混合ダブルスで金メダルを獲得した。他の人よりタフなスケジュールのため、睡眠不足と疲労があるのは事実だ。8月1日からは団体戦へ戦いの場を移す。「団体戦は全勝したい」。もう負けない。例え相手が中国であっても、もう負けない。(倉世古 洋平)

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