1回転半から140年…羽生結弦、4回転半で五輪3連覇へ アクセル母国も期待「成功を祈っています」
2022年01月25日 05:30
フィギュアスケート

「スターである羽生結弦選手の4回転アクセルが見事、成功することを祈っています」
羽生は昨年12月26日の全日本選手権のフリー「天と地と」で、4回転半を実戦初投入。演技開始から18秒後、果敢に挑んだ超大技は両足着氷となって成功はならなかった。「試合の中であれだけできたら妥協できるところにはいる」とする一方で、「悔しい」とも漏らしていた。ただ、12月23日の公式練習では右足だけでの着氷に近い好ジャンプを披露。全日本後は「ここから1カ月ちょっとしかない状況の中で、やれることはたぶんアクセルくらい」と話し、夢舞台を見据えて鍛錬を重ねている。
超大技の成功とともに、羽生が目標に掲げるのが五輪3連覇だ。男子では1920、24、28年を制したギリス・グラフストレーム(スウェーデン)以来、94年ぶりとなるが、アクセルを生んだノルウェーとの奇縁はここにもある。女子で3連覇を達成しているのは1928、32、36年のノルウェーのソニア・へニーのみ。へニーは、女子で初めてアクセルを成功したとされている。
19歳だった14年ソチで黄金の輝きを手に入れ、23歳で迎えた18年平昌は右足首負傷から約4カ月ぶりの実戦ながら、タイトルを防衛した。そして、新型コロナウイルス下での葛藤を乗り越え、27歳で臨む北京。「五輪ってやっぱり、発表会じゃない。勝たなきゃいけない場所なんですよ、僕にとっては。強く決意を持って、絶対に勝ちたい」。4回転半を決めて歴史に名を刻んだ時、頂への道が開ける。
【アクセルジャンプの変遷】
☆1882年 アクセル・パウルセンが初めて1回転半に成功
☆1948年 サンモリッツ五輪でディック・バトン(米国)がダブルアクセル(2回転半)に初成功。バトンは52年オスロも制して五輪連覇を達成。羽生の五輪連覇はバトン以来、66年ぶりだった
☆1978年 バーン・テイラー(カナダ)が世界選手権で初めてトリプルアクセル(3回転半)を跳ぶ
☆1988年 伊藤みどりがNHK杯で女子で初めてトリプルアクセルに成功
☆2010年 浅田真央がバンクーバー五輪で1大会女子最多の3回のトリプルアクセルに成功