加藤未唯 全仏混合ダブルス優勝 急造コンビで失格騒動乗り越えた

2023年06月09日 04:45

テニス

加藤未唯 全仏混合ダブルス優勝 急造コンビで失格騒動乗り越えた
全仏混合ダブルスで優勝しトロフィーにキスをする加藤とプッツ(AP) Photo By AP
 【全仏オープン第12日 ( 2023年6月8日    パリ・ローランギャロス )】 混合ダブルス決勝で加藤未唯(28=ザイマックス)ティム・プッツ(35=ドイツ)組が、ビアンカ・アンドレースク(22=カナダ)マイケル・ビーナス(35=ニュージーランド)に4―6、6―4からのマッチタイブレークを10―6で制して頂点に立った。加藤は女子ダブルス3回戦の不可解な失格が波紋を広げる中、4大大会で悲願の初優勝。全仏での日本勢のこの種目の優勝は97年の平木理化、22年の柴原瑛菜に続く2年連続3人目の快挙となった。
 熱戦を笑顔で終えたセンターコートでの表彰式。加藤は準備してきた紙を読み「ここ数日は精神的に苦しかったが、多くの方からの温かいメッセージが支えになった。失格は不運だったが、前を向いて全力を尽くせた」と涙を浮かべた。日本人のこの種目の優勝は昨年の柴原瑛菜に続き2年連続3人目で、4大大会では5人目の快挙。相方のプッツは「この優勝で元気を出してくれれば」と願った。

 ともにパートナーの都合がつかず、エントリー締め切りの2分前に結成された急造ペア。加藤は4日前の女子ダブルス3回戦で失格した際はショックで「もう帰ろうかな」と思ったが、プッツに「長い間ハグされた」ことで気持ちが上向いたという。コート上でも抜群のコンビを見せ、マッチタイブレークでは3―3から5連続ポイントで優位に立った。スタンドでは女子ダブルスでペアを組み、ともに失格を経験したスーチャディ(インドネシア)が観戦。準決勝で直接対決した相方の声援も力に変えた。

 騒動勃発後は観衆を完全に味方につけた。ダブルス3回戦で失格を主張した相手ペアは、ジャッジ確定後にほくそ笑んだこともあり非難が集中。一方の加藤はこの日は大歓声を浴び、立て続けにスマッシュを決めた第2セットには観客から英語で「このまま頑張れ、加藤!」の声も飛んだ。後味の悪さが残る中、加藤は「女子ダブルスで対戦したペアともまたいい試合をしたいと願っている」と気遣いを見せた。

 失格した選手は同じ大会の他種目にプレーできない可能性があったが、運営側の判断で出場が許可された。女子ダブルスの失格で3回戦の2人の賞金4万3000ユーロ(約645万円)を失うも、混合の優勝で2人で賞金12万2000ユーロ(約1830万円)を獲得。失格の判定を不服として大会側を提訴している加藤は「今後、賞金と(世界ランキングの)ポイントが戻されることを願っている」と改めて訴え「もう一生涯、失格にならないようにしたい。いい形で終わることができて、そこだけは良かった」と強調した。

 ◇加藤 未唯(かとう・みゆ)1994年(平6)11月21日生まれ、京都市出身の28歳。京都市立修学院小―立命館宇治中、高。8歳でテニスを始める。13年10月にプロ転向し、17年のジャパン女子オープンのシングルスで準優勝。ダブルスでは穂積絵莉とのペアで17年全豪オープンで4強入りした。実家は京都で江戸時代から170年以上の歴史を持つ造園業を営む。最新の世界ランキングはシングルス410位、ダブルスは31位。1メートル56。

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