日本代表 W杯で強豪撃破の近道は…五郎丸氏「チリとの初戦で現地フランス国民の心つかめ」
2023年06月09日 04:42
ラグビー

「スクラムに自信を持っていて、こだわりも強い。もちろんフィールドプレーなどスクラム以外も含めて総合的に評価されることになるがW杯では対戦相手を想定したスクラムを組むことが必要になる。そういう面でも期待しているし、日本代表が勝つための役割を果たすことができると思う」
ほかにも「選手間の評価がとても高い」と評する東京SGの下川甲嗣、東京ベイのピーター・ラブスカフニ、埼玉のベン・ガンターらのフランカー勢。また今季リーグワンで全試合フル出場した東葛のWTBレメキ・ロマノラヴァもキーマンに挙げた。
(2)戦い方 1次リーグでは、世界ランクで日本より上位のイングランド、アルゼンチンと同組。突破には、何が必要か。「日程的には、どのチームにとっても有利不利がなく、フェア。第2戦のイングランドにどういう戦いができるかが、一つのポイントになる」。強敵攻略の鍵となるのが、ブレークダウン(ボール争奪戦)と指摘する。
「日本はSH斎藤選手とSO松田選手のハーフ団からの素早い球出しなどスピーディーな展開が特長。相手はブレークダウンからの球出しを遅らせようと相当なプレッシャーをかけてくるだろうから、対応が必要だ。スクラム、ラインアウトといったセットピースも重要になる」
そして決勝トーナメント進出を懸けて戦うことになると予想する最終戦のアルゼンチン戦。「フィジカルが強く主力選手がハイレベルなイングランドやフランスのリーグで実戦経験を積んでいる。警戒しないといけない」。最後まで気は抜けない。
(3)フランス事情 五郎丸氏は16年にフランスの強豪トゥーロンでプレーした。経験も踏まえ、W杯の舞台フランスで戦う上での助言を送る。
「フランスには、ラグビーを熟知している人が多い。チリとの初戦で、日本代表が良い試合をしてフランス国民の心をつかめば、次のイングランド戦以降も日本を応援してくれる人が多くなり、後押しになると思う」
チリ戦で地元ファンを味方につけることもイングランド撃破の足がかりとなりそうだ。さて、気候はどうだろうか。「日本代表が2試合行うトゥールーズはトゥーロンと同じくフランス南部だが、日本のように湿度は高くない。初戦の9月10日は、日本ではまだまだ蒸し暑いが、プレーはしやすい」と問題はない。ただ、試合開始時間を考慮する必要はあるという。
「2試合が午後9時開始。リーグワンなど国内でのナイトゲームでは普通午後7時開始で、初めてという選手も少なくない。試合までの時間をどう使うか。早くから気を張っても持たないし、だらっとしてもダメ。私はトゥーロン時代に経験しているが、食事の時間に注意した。他の2試合は午後1時開始なので、より難しくなるが、適応してほしい」
最後に後輩たちへエールを送った。
「前回初めて8強入りして期待も高まっている上に、今回は会場が欧州とハードルが高くなる。それでも前回8強の強い責任感も持ってプレーしてくれると信じている」
≪日本ラグビーの転機「ブライトンの奇跡」≫15年W杯イングランド大会で日本は南アフリカを撃破し、「ブライトンの奇跡」と言われた。1トライ2G5PGの活躍で貢献した五郎丸氏は「日本でW杯が開催される19年にバトンを渡すことが第一で、そのためにも強豪に勝たなければ、と思っていた」と振り返る。初の決勝トーナメント進出を逃したが、過去最多の3勝を挙げ、ラグビー熱を高めた。19年日本大会で、日本代表のジャージー姿の観客がスタンドを彩ったのを見て「日本もここまで来たか」と胸が熱くなったという。
◇五郎丸 歩(ごろうまる・あゆむ)1986年(昭61)3月1日生まれ、福岡県出身の37歳。佐賀工、早大と進み、19歳で日本代表デビュー。ヤマハ発動機(現静岡)やスーパーラグビーのレッズ(オーストラリア)、フランス1部トゥーロンでプレー。15年W杯でベストフィフティーンに選ばれる。代表通算57試合でテストマッチ通算711得点。21年に現役引退し、静岡でクラブとファン、地域などをつなぐ役割のクラブ・リレーションズ・オフィサー(CRO)に就任。
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