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花粉症対策は「腸内環境を整える」が近道!症状軽減につながる“免疫力を高める方法”とは

2024年02月29日 09:00

花粉症対策は「腸内環境を整える」が近道!症状軽減につながる“免疫力を高める方法”とは
季節の変わり目になるとやってくる花粉症。春も秋も気が抜けません。眼鏡やマスクなどの花粉症対策アイテムもおすすめですが、同…

季節の変わり目になるとやってくる花粉症。春も秋も気が抜けません。眼鏡やマスクなどの花粉症対策アイテムもおすすめですが、同時に行っておきたいのが免疫力アップ。そして免疫力に深く関係しているのが、最近よく聞く「腸内環境」です。

腸内フローラ検査「マイキンソー(Mykinso)」を開発した株式会社サイキンソー取締役副社長/ co-CEO 竹田綾さんに、花粉症に悩む人に向けた腸内環境の整え方を教えてもらいました。

まずは基本のキ! 改めて知りたい「腸内環境」とは

──腸内環境を整える、というフレーズはよく聞きますが、改めて考えると、腸内環境のことをよく知らないという人も多いかと思います。腸内環境とは、一体何なのでしょうか?

 

人の腸内には、数千種類、数百兆個にもなる細菌が共生しており、この細菌たちが作り出すコミュニティを「腸内フローラ」や「腸内細菌叢(さいきんそう)」と呼びます。
そして腸内環境とは、消化管、特に大腸の中の腸内細菌たちの生活環境を指し、近年の研究からそれは、私たちの心身の健康と密接につながっていることがわかってきました。

腸の中には、ビフィズス菌や乳酸産生菌、酪酸産生菌など体に良い影響を与える “ 有用菌 ”や、肥満やがんなど疾患リスクを高める “ 要注意菌 ” などさまざまな働きをする菌が共存しています。

腸内環境を整え、健康な腸内環境を維持するためには、これらの菌がバランス良く存在する、つまり “ 多様性 ” を高く保つことが重要と考えられています。

なぜ「腸内環境を整えること」が免疫力アップにつながるのか

──どうして腸内環境を整えることが、免疫力アップにつながるのでしょうか?

 

まず、ここでの「免疫力」とは、人体がもつ免疫機能・体が病原体や外部からの攻撃に対して防御するちからを指すとしますね。

腸には体の免疫細胞の 60 ~ 70 % ほどが集まっているといわれています。まさに健康を司る重要な臓器ですね。免疫細胞が集まっているからこそ、腸を大切にすることが免疫力の向上に繋がるのです。

腸内環境を整えると花粉症の症状が抑えられる?

──花粉症対策として免疫力アップも重要視されています。腸内環境を整えて免疫力アップを目指すことで、花粉症対策につながるということでしょうか。くわしく教えてください。

 

免疫と強い関わりを持つ腸。その中でもとくに注目されているのは、腸内細菌が喜ぶ食材を摂ることで生まれる「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」です。

短鎖脂肪酸には様々な体に良い影響を与える作用があり、免疫機能の向上もその一つです。具体的には、アレルギーの発症や重症化を抑える ” 制御性T細胞 “ の働きを活性化させるという作用です。ですので、腸内環境を整えしっかり短鎖脂肪酸をつくることが免疫力を高め、結果として花粉症の発症や重症化予防につながると考えられます。

国内の研究 ※1 で、短鎖脂肪酸を作り出す Bifidobacterium (ビフィズス菌)を含む粉末を摂取する群と、偽薬粉末を摂取する群で、花粉症シーズン中に自覚症状と血中マーカーでの数値改善がみられるかの試験を行ったところ、ビフィズス菌を含む粉末を摂取した群は、くしゃみや鼻水などの症状が緩和したという報告もあります。

※1:Probiotics in the treatment of Japanese cedar pollinosis: a double-blind placebo-controlled trial    

免疫力向上と深い関りがある短鎖脂肪酸。短鎖脂肪酸を作る腸活のやり方とは

──腸内環境を整える食材を摂ることで、短鎖脂肪酸が生み出される。それによりアレルギーの発症や重症化を抑える細胞が活性化され、花粉症対策に繋がるというわけですね。では、短鎖脂肪酸を生むには?

 

短鎖脂肪酸は、腸内細菌が喜ぶ食材を摂ることにより生まれる代謝産物です。そのため腸内細菌とその腸内細菌のエサとなる食材をバランスよく摂ることが重要です。
下記のような腸活を意識してみてください!

食事から直接、有用菌を摂る

ヨーグルトや納豆などの発酵食品を中心に、有用菌を直接体に取り入れましょう。

代表的な食材

納豆、ヨーグルト、ぬか漬け、キムチ、甘酒、味噌、など

食事から摂るのが難しい場合は、プロバイオティクスサプリメントなどからも簡単に摂取ができます。

腸内細菌が喜ぶエサとなる食材を摂る

腸内に取り入れた菌に働いてもらうために、腸内細菌たちが喜ぶ ” 水溶性食物繊維 ” や ” オリゴ糖 ” などを合わせて摂るようにしましょう。

代表的な食材

豆類、芋類、玉ねぎ、バナナ、ゴボウなどの根菜類、キノコ類、オートミール など

さらに効率的に短鎖脂肪酸を作り出すためには、自分の腸内に多く存在する短鎖脂肪酸産生菌(メインプレーヤー菌)を知り、それと相性の良い食材を摂ることが重要です。

日本人が多く持っているメインプレーヤー菌は以下の6種類で、それぞれに特に喜ぶ食材があります。

メインプレーヤー菌と喜ぶ食材

  • バクテロイデス    :にんにく、ごぼう
  • フィーカリバクテリウム:玉ねぎ、バナナ
  • プレボテラ      :大麦、雑穀
  • ビフィドバクテリウム :牛乳、ヨーグルト
  • ルミノコッカス    :イモ、豆類
  • ブラウティア     :カカオ、麹

まずは人間ドックや市販の腸内フローラ検査などで、自分のメインプレーヤー菌を知り、その後、メインプレーヤー菌が喜ぶ食材を意識的に摂取することで、効率よく短鎖脂肪酸を作り出すことができます。

 

今回ご紹介した、有用菌とその菌のエサとなる食材を合わせて摂ることで、体内で短鎖脂肪酸など有用な代謝物を効率的に生み出すことを ” シンバイオティクス “ と呼びます。

シンバイオティクスを意識した腸活により、体内で自然と免疫力が上がる仕組みを作ることができ、より能動的に健康管理ができる点が注目されています。

腸内環境のタイプによって花粉症対策は異なる⁉

また、サイキンソーが 2020~2021 年に行った実証実験 ※2 によると、腸内タイプごとに花粉症症状に寄与する生活習慣のパターンがあることが分かりました。

腸内にどのような菌が多いかという観点で腸内タイプを5つに分けたところ、それぞれ推奨された行動を行うことで、花粉症の症状が緩和されることが分かりました。



気になる方は、まず腸内フローラ検査でご自身の腸内タイプを確認してみるのもおすすめです。

※2:The Baseline Gut Microbiota Enterotype Directs Lifestyle-Induced Amelioration of Pollen Allergy Severity: A Self Controlled Case-Series Study

免疫力を低下させるNG行動! 腸内環境を悪化させてしまう生活習慣

──個人によって花粉症対策が異なるのは納得です。では、逆に「これをやると花粉症が悪化するかも」というような共通事項はあるのでしょうか?

 

免疫細胞の多くが集中している腸。腸内環境が悪化すると、免疫力の低下にも繋がってしまいます。腸内環境を悪化させる以下のポイントに注意しましょう。

  • いつも同じメニューの食事、野菜を摂らない
  • 過食
  • 過度の飲酒
  • 1日中座りっぱなし
  • 運動習慣がない
  • 睡眠不足


このような行動や生活習慣は、腸内環境の悪化を加速させてしまう一因になるため気を付けましょう。

こんな不調は要注意! 腸内環境が悪化しているサイン

──腸内環境を乱すNG行動、ついやりがちです。腸内環境が乱れてきているなとセルフチェックすることはできますか?

 

次のような不調が出てきたら、腸内環境が悪いサインかもしれません。いつもより腸を労わってみることをおすすめします。

便秘・下痢・お腹の張りなど

まず代表的な症状として、お腹まわりの不調が挙げられます。

毎日トイレで「便」チェックを習慣化し、形や色などを確認しましょう。いつもより便が出ない、下痢の頻度が高い気がするときは腸にも注意を向けましょう。

花粉症などアレルギーのお悩み

腸内環境が崩れると免疫機能の低下につながる可能性が高く、結果としてアレルギーの発症や重症化を引き起こす可能性が高いと言われています。

例年よりも症状が重いと感じる際は、腸も意識してみてください。

肌荒れ

腸内環境が乱れると体内で炎症が起こりやすくなり、ニキビができやすくなるなど肌にも影響があります。

体重の増加

腸内環境が乱れていると、脂肪が蓄積されやすく体重も増加しやすくなる傾向があります。

メンタルの不調

「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの大部分は腸内で作られるなど、腸と脳はお互いに影響しあっていることがわかっています。

いつもより少し気だるい、気分が重いと感じるときも腸をいたわってみましょう。

監修・執筆者プロフィール

株式会社サイキンソー 取締役副社長 執行役員 co-CEO
竹田綾(たけだ・あや)

高校卒業後に渡米し、フロリダ州立大学で分子生物物理学の博士号を取得。帰国後、DNA解析受託サービスを行う企業にて、企業・アカデミア向けにコンサル営業を主に担当。出産を期に「食と健康」に興味を持ち腸内細菌叢の可能性に魅せられ、第二子出産後すぐに、腸内フローラ検査「マイキンソー(Mykinso)」を手がけるサイキンソーを共同創業。CSOとしてサイエンス領域の統括や研究受託サービスなどを推進した後、2024年1月に取締役副社長に就任。プライベートでは小学5年生と3年生の2児の母であり、子育てと3匹の猫の世話に奮闘中。

<Edit:編集部>

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