古江彩佳 涙の逆転メジャー初V「ありえないくらいうれしい」最終H圧巻イーグル締め 日本人女子4人目
2024年07月15日 04:00
ゴルフ
「ありえないくらいうれしい。今までにないくらい緊張した。我慢のゴルフだったけど、自分を信じてやれて最後につながった」
1打差を追った最終日は中盤まで我慢の展開。一時、3打差に開いてもじっと時機をうかがった。14番で10メートルをねじ込み、反撃開始。3連続バーディーを奪って首位に迫る。ライバルがスコアを落とす中、堅実にパーを拾い最終ホールにつなげた。勝、西村ら日本の仲間からの祝福のシャンパンを気持ち良さそうに浴びた。
今季開幕前、「パリオリンピックを目指す」と宣言した。前回21年東京五輪で一歩届かず、悔し涙を流した経験があったからだ。トップ10入り8度と結果を残して“圏内”で迎えた代表決定最終戦の全米女子プロ選手権。だが無情にも再び五輪切符を目前で逃した。「優勝争いをした時に勝てておけば…」。あふれる悔しさを胸にしまい込んだ。
日本に帰国し、向かったのは原点の地だ。高校卒業後の研修生時代、腕を磨いた六甲国際GC。コーチでもある父・芳浩さんとハンドファーストになりすぎていた構えに調整を施した。持ち前の高精度のショットを取り戻し、メジャーの舞台に戻ってきた。
3歳で初めてクラブを握り、父と2人、時にケンカをしながら練習を積んできた。5歳の時のこと。練習場で「お嬢ちゃんうまいなあ」と声をかけられ、「うちはタイガー・ウッズと戦うんや」と返したことがある。その時から、世界一への視線はぶれなかった。
レマン湖を見下ろす美しい山岳コースはグリーンにもフェアウエーにも起伏がある難コース。正確なショットと勝負どころで見せた圧巻のパッティングで攻略し、世界の頂点に立った。「パリには行くこともできなかったけど、フランスのメジャーで勝てて気持ちを晴らせたかな」。古江はそう言ってまた、涙を拭った。
【古江 彩佳(ふるえ・あやか)】☆生まれとサイズ 2000年(平12)5月27日生まれ、神戸市出身の24歳。1メートル53、54キロ。
☆ゴルフ歴 3歳から始める。兵庫・滝川二高卒業後の19年富士通レディースで史上7人目のアマチュア優勝し、プロ転向。1年目の20年デサントレディース東海クラシックでプロ初優勝するなど20~21年シーズン6勝を挙げて賞金ランク2位。日本ツアー通算8勝。
☆米ツアー参戦 スポット参戦した21年のエビアン選手権で4位と健闘し、米ツアーを目指すきっかけに。同年最終予選会で7位に入って出場権を獲得。22年から本格参戦し、7月のスコットランド・オープンで米ツアー初優勝を挙げた。
☆浜崎あゆみ 5歳のころ、両親の買ったDVDを見てはまった。大ファンで、会場までの車内で流すのがルーティン。好きな曲は「INSPIRE」。
☆名前の由来 「鮮やかに賢く育ってほしい」との願いから。ミレニアム世代の同学年からは「えってぃ」と呼ばれる。
☆パワーフード 帰国時に好物の塩とんこつラーメンを食べるのがルーティン。
▽エビアン選手権 欧州女子ツアーとして1994年に第1回が開催され、今年で30回目を迎えた。2000年に米女子ツアーに加わり、2013年にメジャーに昇格。1997年に小林浩美、09、11年に宮里藍が優勝している。スイスとの国境に近く、レマン湖を望むフランスのエビアン・リゾートGCが舞台。
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