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【鰻谷通信コラ厶】東京五輪・パラリンピック開催へ最大の試練

2021年05月15日 15:00

スポーツ

【鰻谷通信コラ厶】東京五輪・パラリンピック開催へ最大の試練
東京五輪の代表選考を兼ねた競泳の日本選手権100メートルバタフライで優勝した池江璃花子選手(4月5日付大阪本社版) Photo By スポニチ
 収まる気配を見せない新型コロナウイルスの感染状況を受け、東京都、大阪府、兵庫県、京都府に発出されていた緊急事態宣言は延長され、新たに愛知県、福岡県も追加されました。今回の期限は5月31日までとなりますが、感染力が強く・重症化しやすい変異ウイルスが猛威を振るう現状から、予定通り解除されるかどうか予断を許しません。医療提供体制がさらに逼迫する大阪では、既に重症者病床の使用率が100%を超え、在宅での待機を余儀なくされた感染者が適切な診療を受けることなく死亡するケースも増えています。そんな中、医療関係者への優先接種と並行して65歳以上の高齢者に対するワクチン接種の受付が始まりました。政府は対象者3600万人への接種を7月末までに完了すると声高に豪語していますが、パソコンやスマホの操作に慣れない高齢者にとっては申し込みの初期段階からハードルが高いようです。一部の自治体では、受付開始初日からコールセンターに電話が殺到し、つながらないため問い合わせ窓口に行列ができるなどの混乱も生じています。ともあれ、コロナ収束への切り札となるワクチン接種。円滑に進むことを望むばかりです。
 一方、開幕まであと2カ月に迫った東京オリンピックですが、各競技でテスト大会が行われる中、開催の是非を問う世論も巻き起こってきました。先ごろの世論調査では、中止を求める意見が60%を超え、開催を求める声を抑えています。国会では、開催に向けて突っ走る政府の方針に厳しい質問が飛び交いますが、菅総理の答弁は「感染対策をしっかり講じ、安心して参加できるようにする。国民の命と健康を守ることが開催に当たっての基本的な考え方」の一辺倒。具体的な運営方針やメッセージが示されないまま時間だけが過ぎていきます。まん延状況が続く中で世界的な大イベントを完遂できるのか難しい状況を迎えています。

 開催の是非が問われる中、アスリートに対してオリンピック開催中止の拡散を求めるツイッターが流れ大きな波紋を呼んでいます。先ごろの五輪代表選考を兼ねた競泳日本選手権において、2種目で代表枠を勝ち取った池江璃花子選手に届いた心無いメッセージ。選手の意向を無視して、中止のコメントを求めるのは余りにも卑怯なやり方です。「私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません。ただ今やるべき事を全うし、応援していただいている方達の期待に応えたい一心で日々の練習をしています」と池江選手は苦しい胸の内を吐露しました。テニスの大坂なおみ選手も「開催して欲しいが、オリンピックが人々を危険にさらすのであれば議論が必要」とのコメントを発表しました。2013年9月の招致決定以来、開催に向けてさまざまな困難を乗り越えてきた東京五輪ですが、コロナ禍の中、最大の試練に直面しています。(スポニチプラザ大阪総支配人・厨子雄二)
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