今年限りで勇退の80歳・木内監督 初戦大勝にお茶で一服

2011年07月17日 06:00

野球

今年限りで勇退の80歳・木内監督 初戦大勝にお茶で一服
<水戸第一・常総学院>5回コールド勝利し球場を引き揚げる常総学院の木内監督(中)
茨城大会2回戦 常総学院10―0水戸一
(7月16日 水戸市民)
 第93回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の地方大会は16日、石川など4大会が開幕し、48大会で今夏最多の427試合が行われた。茨城大会では今夏限りで勇退する木内幸男監督(80)率いる常総学院が、水戸一との初戦で5回コールド勝ち。日本一3度の名将が好発進を決めた。和歌山大会では今年3月6日に尾藤公元監督(享年68)が死去した箕島が日高高中津分校に快勝。27年ぶりの出場へ勢いをつけた。17日は47大会で390試合が行われ、沖縄では全国トップを切って代表校が決定する。

 10人以上の報道陣に囲まれた木内監督は、お茶を手に笑った。「きょうは初戦だよお」。全国制覇3度の名将は、今年限りで勇退する。最後の夏の幕開けは「木内マジック」を封印した大勝だった。初回に4点を先制すると、4回までに10点を奪う。打線は毎回の14安打。投げては3投手のリレーで、1人の走者も許さなかった。

 「子供たちには“バントはやらない、押せっ”てね。それで点が入ると相手は力負けした意識を持つ。みえを張ったんだよ。力で押して勝てるチームをつくらないと、全国では勝てないから」と高笑いだ。出したサインはセーフティーバントの1度だけ。4盗塁は選手がノーサインで決めた。

 12日に80歳の誕生日を迎えたばかり。練習後、野球部員から「ハッピーバースデー幸男~」の歌を贈られた。「年を思い知らせてくるんだもん。80歳?この年はショックです」と言いながら「子供たちは良い雰囲気になった。これを理由に一つになってくれれば」と喜んだ。

 和田主将は「今年はどんなに暑い日でも、練習ではベンチから指示を出していただいた。監督さんも最後だし、良いまとまりをしていると思います」と感謝した。2番手で登板した斉藤は「国体まで行けば監督と10月まで野球ができる。笑顔で最後の花道をつくってあげたい」と、おじいちゃんよりも年上の恩師のために、全力プレーすることを誓った。

 先を見据えた、緻密さも見せた。ベンチ入り選手20人中、18人を出場させ「優勝することを考えてね。慣らしていかないと。これからはスムーズに行くかな」。4度目の頂点へ、80歳・木内監督の最後の夏が始まった。

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