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大谷 今季初実戦でいきなり復活弾!東北へ届け 開幕いけるぞ

2017年03月12日 05:30

野球

大谷 今季初実戦でいきなり復活弾!東北へ届け 開幕いけるぞ
<日・楽>3回1死二塁、大勢のメジャー球団スカウトが見つめる中、右越え2ランを放つ大谷 Photo By スポニチ
 【イースタン春季教育リーグ   日本ハム4―2楽天 ( 2017年3月11日    鎌ケ谷 )】 いきなり魅せた。右足首痛からの戦列復帰を目指す日本ハムの大谷翔平投手(22)が11日、イースタン春季教育リーグの楽天戦(鎌ケ谷)に「3番・DH」で先発出場。野手として今季初めての実戦で、初回に中前適時打を放つと、3回には右中間に2ランを放った。2打数2安打3打点。2011年3月11日に東日本大震災が起きた。岩手出身の大谷はあれから6年を迎えた日に、シーズンへ向けて大きな一歩を踏み出した。
 フルスイングしなくても、打球は低い弾道で右中間フェンスをオーバーした。3回1死二塁。大谷は横山が投じたシュートにタイミングを合わせた。今季初めての実戦で卓越した打撃センスを見せつけ、昨季22本塁打した長打力も健在だった。

 「甘い球をしっかり振れた。打撃は試合に少しずつ入っていけそうな手応えはある。(本塁打は狭い)鎌ケ谷なので入った」。侍ジャパンの強化試合だった昨年11月13日のオランダ戦(東京ドーム)以来118日ぶりの実戦。しかし、ブランクを全く感じさせない。初回1死二塁の1打席目で中前適時打。その後、二塁走者で高浜が右前打を放った際、本塁生還を狙って三塁ベースを勢いよく回ってから急激にストップし、より実戦的な動きも確認した。予定された2打席で「どれだけ実戦で走塁できるか」をテーマに掲げたが、3回は本塁打で悠々とベースを一周することになった。

 ようやくたどり着いた。昨年10月の日本シリーズで痛めた右足首の状態が上向かず、2月上旬にWBC日本代表への不参加が決まった。幼少期から憧れていた国際舞台でのプレーを思い描きながら自主トレに励んでいただけに一時は「目標を見失っている段階」と精神的に落ち込んだ。「やれることをやるしかない」と自らに言い聞かせながら、ここまで1カ月以上も別メニューで調整。現在も投球練習再開のメドは立っていないが、患部に負担が少ない打撃と走塁は実戦出場のレベルまで上げた。「単純に試合は楽しかった。先が見えないより、次(の試合)が見えている方が良い練習もできる」。14日に1軍合流。同日のDeNAとのオープン戦(札幌ドーム)に出場予定で、打者での開幕戦出場が見えてきた。

 岩手出身の大谷にとって3月11日は忘れられない日だ。東日本大震災から6年。試合前には犠牲者を悼み、両軍ナインで黙とうがささげられた。当時、高校2年生だった大谷は「6年がたちましたし、個人としても、もう一回頑張っていきたい」と決意を新たにした。「岩手の人々に元気な姿を届けるのは意味がある」。そう言って実戦に送り出した栗山監督は報告を受け「特別な日で翔平(大谷)も当時は高校生でいろいろな思いがあったと思う」と気遣った。

 侍たちは世界一を目指して戦っている。チームは日本一連覇に向け、調整を進めている。「怖さはまだある。まだ思い切り走ってない。でも実戦で確認すれば自信や安心につながる」と大谷。悔しさ、もどかしさを胸に秘め、とにかく前に進む。 (山田 忠範)

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