大谷翔平や高橋由伸氏が左打席で打ち始めた理由は?

2019年12月03日 09:15

野球

大谷翔平や高橋由伸氏が左打席で打ち始めた理由は?
笑顔で子どもの打撃を指導する高橋由伸氏 Photo By スポニチ
 【君島圭介のスポーツと人間】日本ハムに在籍していた当時の大谷翔平に「どうして左打ちにしたの?」と聞いてみた。
 「僕が野球を始めた頃に活躍されていた方、イチローさんや松井(秀喜)さん、(高橋)由伸さんに憧れて左で打ち始めたんです」

 タイプは明らかなパワー系の長距離打者だ。160キロ超のボールを投げる強靱な右腕でバットを押し込む右打席の打球も見たかったが、大谷が放つ左中間への打球もまた右投げ左打ち特有の美しさがある。

 先日、都内で野球教室を開いた前巨人監督の高橋由伸氏に取材する機会があった。そう、あの大谷が憧れた右投げ左打ちの大スターだ。小学生を相手に「体全体を使ってバットを振ることが大事」「打者は10回中7回は失敗するけど打てたときが楽しい」。明るい笑顔で指導していた。

 グループに分けて打撃を教える前、高橋氏は15人ほどの子どもたちを集めて質問した。「右打ちの人?」半分くらいが手を挙げた。「左打ちの人?」やはり半分。「じゃあ左利きの人」1人だけだ。野球をやっている子どもの約半数は右投げ左打ちなのではないだろうか。

 ――左打ちを始めた理由は?
 高橋氏「僕は誰かに教えられたわけじゃない。左の方がバットを振りやすかっただけ」

 ――子どもが野球を始めるとき、右打ちか左打ちかはどう決めるべきか?
 高橋氏「親や指導者は、この子は足が速いから、と左打ちにしてしまう。僕は子どもが振りやすい方を自分で選んだ方がいいと思う。その方が本来の自然な能力を生かせる」

 ――大谷は高橋氏らに憧れて左打ちになったというが?
 高橋氏「誰かの真似から始めるのはいい。悪いことじゃない。どういう選手になりたいのか、目標を持ってやることが大事」

 大谷が高橋氏らに憧れたように、今は大谷に憧れて左打ちにする子も多いだろう。ただ、右投げで「大きなホームランを打ちたい」と考えるなら右打ちがいい。今季のNPB通算本塁打10傑を見ればセ・リーグは10人中7人、パ・リーグは9人が右投げ右打ちだ。NPBの歴代通算本塁打記録保持者も右投げ左打ちは金本知憲氏の10位が最高で、松井秀喜氏の日米通算記録も7位に相当するが、現役通算最多も右投げ右打ちの西武・中村だ。

 記録を見れば押し込む力が強い方が打球は遠くに飛ぶのは明らかだ。だが、バットをリードする引き手の力にスイングを頼る子もいるだろう。やはり、高橋氏が推奨するように振りやすい方を選ぶことが重要なのだ。(専門委員)

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