9月入学が導入されるとすれば野球界はこう変わる
2020年05月28日 09:00
野球
最大のデメリットは高校野球「最後の夏」がなくなることだ。9月入学の英国は学年の終了が6月。このスケジュールなら6月で卒業する3年生は、最終学年の夏の甲子園に出場できない。一方でセンバツ大会には1年から出場が可能になる。
1年の春夏、2年の春夏、3年の春までが甲子園出場資格となる。「最後の夏」がドラマチックで感傷を誘うのは、「負けたら引退」の緊張感の中で全国トーナメントを戦うからだ。夏の大会が終わってすぐに始まる秋季大会が選考基準の選抜方式が「最後」では不公平感も生まれる。
ただ、メリットは多い。英国のスケジュールにならえば夏休みは7、8月を丸々含む2カ月以上に及ぶ。夏の地方大会も含めて、全日程を休暇期間中に消化することも可能だ。学生の本分である授業への影響も減る。
同時に肉体的な負担も減ることになる。出場できる夏の大会が3年間で2度になれば、炎天下の連投による投手の肩肘の酷使という問題も、少なからず解消できる。
新人選手を選択する12球団のドラフト会議も、9月入学制の米国・メジャーリーグと同じ6月開催になるだろう。指名された高校生は、翌年のシーズンまで余裕を持って体をメンテナンスして作り直し、プロで戦う準備ができる。
高3夏の甲子園で勝ち上がった高校生が、肩肘に故障を抱えたままプロ入りするケースは多い。今年1月、検査で右肘の炎症が見つかったヤクルトの高卒ドラフト1位・奥川が、大事を取って新人合同自主トレをノースロー調整に切り替えたのは記憶に新しい。
奥川の場合は球団の好判断が功を奏したが、無理をして大きな故障につながった例は枚挙にいとまがない。プロ野球に限らない。大学や社会人など次のステージに万全の状態で挑めるとすれば、高3の夏の甲子園がないことはデメリットとは言い切れない。
今回の夏の甲子園中止で球児たちがどれほど辛い思いをしたかは承知している。高校野球の歴史も変わってしまう。その上で「9月入学」を考えたとき、メリットは確かに存在する。(専門委員)
おすすめテーマ
2020年05月28日のニュース
特集
野球のランキング
-
DeNAが紅白戦 2カ月ぶり実戦で平良、上茶谷、浜口が2回無失点 ラミレス監督「予想以上」
-
ロッテ「2020年マリーンズ号」29日から運行 井口監督、朗希ら11選手をラッピング
-
阪神・近本 実戦での調整心待ち「早く試合がしたいなというのはあります」
-
巨人が「GIANTS PRIDE 2020」グッズ第1弾 Tシャツ&クリアファイルの販売開始
-
-
巨人 29日にインスタライブ番外編 宮本投手チーフコーチが単独で登場
-
巨人・原監督ら首脳陣26人のサイン入りTシャツ「ヤフオク!」出品、売上金はコロナ基金へ
-
東京六大学野球 主将らが思いつないだ動画作成、28日午後5時から配信
-
阪神、6月練習試合の中継予定決まる
-
明秀学園日立・金沢成奉監督から感じた「言葉の力」
-
西武ドラ1宮川 若獅子寮での私生活を公開 大学時代の思い出の品も
-
九州六大学野球 春季リーグの中止を発表
-
静清 女子硬式野球部を22年4月に発足 初代監督は岩見香枝氏
-
セ6球団監督がテレビ会議 ラミレス監督「優勝します!」に矢野監督「こっちの台詞」
-
試合数削減、過密日程…巨人・原監督の戦い方は?
-
9月入学が導入されるとすれば野球界はこう変わる
-
【猛虎最高の瞬間(4)】借りたパンツで放った現役最後の“掛布弾”
-
【内田雅也の追球】「少年」でいこう――「球児の分まで」と力むプロ野球選手へ
-
「東8西4」練習試合日程発表 6月2~16日まで計72試合 移動範囲限定で感染リスク抑止
-
巨人 球団総勢約220人抗体検査実施へ 原監督「“信頼”というものから入る」
-
巨人・原監督 開幕投手は「菅野」明言 過密日程想定しローテ6人制
-
東京に“巨人”坂本」襲来!東京タワーを背に…今季のイメージ画像公開
-
巨人・阿部2軍監督 イースタンL練習試合の日程発表受け「身が引き締まる」
-
オリックス・ドラ1宮城、紅白戦で2回無失点デビュー!「結果的に抑えられてよかった」
-
オリックス育成6位の大下 紅白戦でアピール弾「感触は完璧でした」
-
ロッテ・鳥谷 藤浪と対戦熱望!古巣の剛腕に熱い思い「日本を代表する投手。力を打席で感じたい」
-
ロッテ・鳥谷 幼稚園にママチャリで子供送迎「普通にやっています。ナイターの時でも」
-
西武・光成 2カ月ぶり実戦登板に「めちゃくちゃ緊張」3回5安打2失点「課題見つかった」
-
西武・松坂 ブルペンで44球投げ辻監督に順調仕上がり披露「しっかり状態を上げていけるように」
-
ヤクルト・スアレス 紅白戦で152キロマーク!2回途中1失点「テンポよく投げられた」
-
日本ハム・ビヤヌエバ 虫垂炎摘出手術 開幕戦出場は絶望的
-
日本ハム・中田 ロッテ・朗希との対戦熱望「打席に立って速さを見たい」
-
日本ハム 医療・介護従事者らに拍手 清宮「感謝を込めて」
-
日本ハム・川村球団社長 道知事表敬訪問 開幕後の感染拡大防止策の取り組み説明
-
中日・与田監督 地元首長にV誓う「こういう年だからこそ優勝目標」 29日から紅白戦開始
-
中日・チアドラゴンズは各自練習 開幕戦は無観客ながらリーダーのHAZUKI「満員御礼の気持ちで」
-
阪神・矢野監督 「2番・近本」案は継続 昨季の1番から、より攻撃的に「現状はしたいなと思っている」
-
阪神・金村コーチ 開幕ダッシュのカギは小刻み継投策 「中継ぎをどんどん投入する」
-
楽天・牧田 後輩たちに金言連発 松井には日米の違い、森原には救援投手の心得
-
楽天・島内 宮城県にもマスク1万枚寄贈 出身地の小松市&金沢市に続き
-
DeNA・桑原 外野のレギュラー奪回へ「バッティングでアピールしたい」
-
広島・西川 5番構想!松山がコンディション不良で離脱…朝山コーチが示唆
-
パ6球団でチャリティー企画 オンラインゲーム「プロ野球スピリッツ」使い、報酬など医療従事者に寄付
-
オリックス・清原 恩師・仰木彬さんにささげる逆転サヨナラ満塁弾 「自分の力ではない気がする」
-
MLB 年俸最大85%削減案提示 現役最高年俸トラウト外野手は34・5億円減 選手会は拒否へ
-
年俸削減案 日本プロ野球の斉藤コミッショナーは否定的「今のところ考えていない」
-
日本高野連 各都道府県連盟に総額1億9000万円の財政支援 一定額一律配布で大会実施後押し
-
埼玉県 代替大会8月に開催へ 十分な準備期間取るため開幕約1カ月延期
-
埼玉・昌平の左の大砲・渡辺 代替大会、猛打アピールでプロ志望届「出したい」
-
浦和実・土居監督 代替大会8月開催に複雑…昨夏浦和学院完封の豆田「プロ志望は変わらない」