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DeNA・倉本 セ56年ぶり2度目の“スミ4弾” 今季1号がびっくり奇跡の連続

2020年08月10日 05:30

野球

DeNA・倉本 セ56年ぶり2度目の“スミ4弾” 今季1号がびっくり奇跡の連続
<ヤ・D>初回2死、満塁本塁打を放つ倉本(撮影・西海健太郎) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   DeNA4―0ヤクルト ( 2020年8月9日    神宮 )】 DeNAは9日、神宮球場のヤクルト戦で4―0で快勝。「6番・遊撃」でスタメン出場した倉本寿彦内野手(29)が初回に右翼席に今季1号グランドスラムを放った。今季はここまで12球団で24本の満塁本塁打が飛び出しているが、初回の満塁弾による「スミ4」勝利はセ・リーグでは東京五輪が行われた1964年以来、56年ぶり2度目の珍事だった。
 隣接する新国立競技場からも大歓声が聞こえてきそうだ。初回2死満塁で倉本が放った打球は神宮の空に弧を描いて右翼席に飛び込んだ。「チャンスだったので後ろにつなぐ気持ちでいった」。フルカウントから山中の121キロ直球を捉えた一発はプロ6年目で初の満塁弾となった。

 ラミレス監督も「初回の4点が非常に効いた」と勝因に挙げたのも当然だ。早々の大量援護を受けた平良はスコアボードに「0」を並べ、8回からは継投で零封。満塁弾による「スミ4」勝利はセ・リーグでは64年7月15日の国鉄―大洋戦以来56年ぶり2度目の珍事だ。ヤクルトとDeNAの前身球団の試合で、球場も同じだった。

 さらに偶然は重なる。64年といえば前回の東京五輪が開催された年。球場のある神宮外苑を中心に世界中のアスリートが人類の限界を競い、日本中が空前の盛り上がりを見せた年。今年は誰もがその再現を期待したが、新型コロナウイルスの猛威で、2度目の東京五輪は延期された。この日は当初の日程通りなら午後9時から国立競技場で閉会式の予定だった。試合終了は午後8時39分。その21分後にスポーツの祭典の余韻を残し、閉会式はスタートするはずだった。

 もちろん倉本がそこまで意識するはずはない。本塁打は18年7月16日の同戦以来2年ぶり。しかも自身初の満塁弾となれば「最高です!集中して打席に立つことができた」と言葉が弾むのは当然だ。

 連勝で首位・巨人と2・5ゲーム差とした。感染拡大予防で観客数に上限があり、56年ぶりの珍事の瞬間に立ち会ったのはわずか4970人。もっとも五輪が予定通り開催されていれば、この日に試合が行われることはなかった。時空を超えた「スミ4」勝利は、不思議な偶然がいくつも重なって再現された。(君島 圭介)

 ≪ビッグチャンスに強い倉本≫DeNAは初回倉本の満塁本塁打による4点のみで完封勝利。初回の満塁弾1本の得点だけで完封したのは64年7月15日大洋が国鉄戦(本塁打・黒木)、01年6月29日ダイエーがロッテ戦(本塁打・城島)で記録して以来プロ野球3度目。セでは56年ぶり2度目となった。なお、倉本の満塁本塁打はプロ入り初めてだが、通算の満塁成績は39打数18安打(打率.462)、38打点とビッグチャンスに強い。

 ◇64年7月15日国鉄―大洋戦第2試合(神宮) 先攻の大洋(現DeNA)は初回に国鉄(現ヤクルト)先発の渋谷誠司を攻め、2死満塁とすると6番の黒木基康がカーブを捉え左翼へプロ初の満塁本塁打。2回以降は無得点に抑えられたが、先発の稲川誠は国鉄打線を散発5安打に抑えスコア4―0で完封勝利を挙げた。

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