【木内監督追悼連載(3)】野球の未来を気にかけていた木内氏 若い高校の監督にも懇切丁寧に教える
2020年11月28日 08:00
野球
野球界の将来を見ていたのだろう。木内氏は少年野球にも目を配っていた。少年野球は野球界の裾野。事あるごとに言っていた。
「野球をやる子供たちが少なくなってるもんな。多くの子供が野球をやれば、それだけいい選手が育ってくんだよ」。とりわけ、地元・茨城県を中心とした少年野球の活動事情を気に掛けていた。
7年前。取手二の教え子たちが中心となって開催していた少年野球大会で、大会名に木内氏の名前を冠したいと頼まれた。「まだ死んでなかっぺ。生きてるうちはいいんじゃねえの?」。そう遠慮しながらも「仕方なかっぺ」と了承した。「木内幸男旗少年野球大会」(スポニチ後援)は昨年、7回目を迎えて県内を中心に38チームが参加。木内氏は開会式と閉会式、野球教室にも出て子供たちの姿を熱心に見守った。
木内氏は毎年、子供たちに「今のうちから高いレベル、プロを目指しなさい」と呼びかける。そして指導者たちにも「子供たちが夢を叶えられるように指導してください」と力説。裾野の広がりが野球界のレベルアップにつながる。子供たちが野球界の未来を支えていく。2年前の野球教室のときは、当時87歳にも関わらず守備の実演までしてみせた。
来る者拒まず――。木内氏は高校野球の指導者たちにも、教え子に限らず聞かれれば何でも答えた。チーム作りや指導方法。「木内さんに教えられた」という監督は数多い。以前、ある甲子園常連校の監督から「どうしたら甲子園で勝てますか」と教えを請われたときのこと。懇切丁寧に答えた後に、その監督が30歳代だと聞いてすぐに連絡した。「この前言ったことは忘れなさい。アンタはまだ若いんだ。思い通りにやればいい。自分の考えがセオリーだと思ってやりなさい」。自らの信念で指導し、失敗を重ねて指導者として成長していく。木内氏自身、21歳に監督となって甲子園初出場まで25年、初優勝まで32年かかってる。その若い監督の情熱があれば甲子園で勝てるチームを作れると信じていた。
コロナ禍の今年、「第8回木内幸男旗少年野球大会」は中止となった。木内氏は開催を楽しみにしていたという。ちなみに、2年前の大会で初優勝した都和南スポーツ少年団の大木宏紀監督は常総学院の教え子。その大木監督の長男・投哉君が大会で好投した。「木内イズム」は裾野にも広く浸透し、永遠に受け継がれていく。=終わり=
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