ボンズ氏、クレメンス氏 殿堂入りならず 薬物疑惑に嫌悪感 資格最終の10年目も吉報届かず

2022年01月27日 05:30

野球

ボンズ氏、クレメンス氏 殿堂入りならず 薬物疑惑に嫌悪感 資格最終の10年目も吉報届かず
バリー・ボンズ氏(AP) Photo By AP
 米国野球殿堂は25日(日本時間26日)、今年の殿堂入りメンバーを発表し、レッドソックスなどで通算541本塁打を記録したデービッド・オルティス氏(46)が唯一選出された。資格最終の10年目だったメジャー最多762本塁打のバリー・ボンズ氏(57)や通算354勝右腕のロジャー・クレメンス氏(59)は落選。薬物使用疑惑に対する根強い嫌悪感が示された形となった。
 全米が注目する「最後の審判」が下った。資格最終年の10年目となったボンズ氏の得票率は66・0%、クレメンス氏は65・2%。1年目の30%台から年々数字を伸ばしたが、殿堂入りラインの「75%」には約10ポイント及ばず。薬物規制が不十分だった1990年代から00年代に活躍した2人のビッグネームに吉報は届かなかった。

 メジャー歴代最多の762本塁打、シーズン最多73本塁打、史上唯一の「500本塁打&500盗塁」など輝かしい功績を残したボンズ氏はSNSを更新。「ビッグ・パピ(オルティス氏の愛称)、おめでとう。殿堂入りにふさわしいよ」と祝福したが、自身について触れることはなかった。通算354勝、歴代最多7度のサイ・ヤング賞に輝いたクレメンス氏は自身のツイッターで「殿堂入りのために野球をしてきたわけではない。家族のためにプレーしてきた」と皮肉っぽくつづった。

 過去に薬物使用の疑いがありながら殿堂入りした選手はいるが、ボンズ、クレメンスの両氏は刑事裁判にまで発展したことが影響した。両氏の落選には賛否が渦巻き、賛成票を投じなかったスポーツ・イラストレーテッド誌のトム・ベルドゥーチ記者は、故ハンク・アーロンさんの「野球殿堂にひきょう者の居場所はない」との談話を紹介。一方、カブスの右腕ストローマンは「ボンズとクレメンスを入れないなら…。野球殿堂は信頼を失う」とツイートした。

 打者と投手でそれぞれメジャー最高峰の成績を残したボンズ氏とクレメンス氏。日本でも圧倒的な知名度を誇る2人だが、不名誉な過去への不信感は最後まで拭えなかった。

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