引退試合の阪神・糸井 セレモニーでは涙こらえ「甲子園ありがとう」「でも超人伝説はまだまだ続きます」

2022年09月21日 23:21

野球

引退試合の阪神・糸井 セレモニーでは涙こらえ「甲子園ありがとう」「でも超人伝説はまだまだ続きます」
<神・広>ゆかりのある人々からのビデオメッセージに目頭をおさえる糸井(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4-10広島 ( 2022年9月21日    甲子園 )】 今シーズン限りでの引退を発表した阪神・糸井嘉男外野手(41)が、引退試合となった21日の広島戦に出場し、通算1755安打目となる左前打を森下から放った。
 大歓声を浴びた糸井は「本当に感動したし、これが最後となると、やっぱり寂しいですけど、そんな中で、ヒットを打てて、ほんとに幸せです。うれしかったし、ほんまに、甲子園で最後の打席を迎えられて、心の底からよかった」と談話。涙をこらえながらも、涙声で話した。

 ただ、試合後の引退セレモニーでは涙をこらえきれず、目頭を押さえる一幕もあった。試合は延長11回まで戦った熱戦。セレモニーの開始は午後11時近くになる中、帰宅しない虎党でスタンドは満員のまま。これまでの糸井の活躍をまとめた「超人伝説」VTRやダルビッシュらゆかりのある人物が動画で登場してメッセージを送ると、ファンも見入った。

 スピーチを語り始めた糸井は、神妙な面持ち。「こんなメッセージ見せられたら、全て忘れてしまいました」として、持ち寄ったメモを見つつ、ファンに引退スピーチを読み上げた。

 初めに阪神、日本ハム、オリックス球団に感謝し、「投手として入団してわずか2年で野手転向を告げられました。そこから僕の野球人生は、変わりました。結果が出なければすぐに首を切られる世界。プロの世界はほんとに厳しい世界だと肌身に思い知らされました」と若かりし頃を振り返り、死に物狂いでバットを振ったことを回想。さらに「いつしかみなさんが超人、超人と呼んでくださるようになり、最初は羽の生えた鳥人かなと思っていました」という笑いもまじえつつ、大ファンだった阪神に入団したころも言及。「初めてこの甲子園でプレーしたときの感動、興奮、胸の高鳴りは、一生忘れません。地鳴りのような声援、しびれました。みんなと優勝したい、勝ちたいその一心でこの6年間、戦い続けてきました」と振り返った。

 最後に糸井はチームに向かって「今年もまだチャンスはあります。信じています。強いタイガースの時代が来ることを、みんな信じていましょう。ファンの方々もそのときまで、僕と一緒に応援しましょう」と呼びかけつつ「僕の野球人生は本当に幸せでした。密でした。やりきりました。でも、超人伝説はまだまだ続きます。甲子園ありがとう!タイガースファンありがとう!おやじ、おかんありがとう!本当に19年間、温かいご声援ありがとうございました!」と叫んだ。

 その後は選手らの手で背番号と同じ7度の胴上げで宙を舞った。引退セレモニーの全てのプログラムが終了したのは午後11時40分。それでも甲子園のスタンドには多くのファンが残り、糸井の最後の姿に拍手を送っていた。

 糸井は投手として日本ハムに入団しながら、野手に転向して通算1755安打。6年連続、通算9度の打率3割を達成するなど、押しも押されもせぬ大打者となった。この日の試合前の打撃練習では快音を響かせ、「(引退を)撤回しようかな。見た?あの左中間の」と上機嫌で、最後までファンに雄姿を届けた。

 13日に行われた引退会見では、白い歯を見せ、スッキリとした表情で「昨日、泣きすぎて一睡もしてないので今日は泣きません」と終始、笑顔を貫いていた。

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