【内田雅也の追球】 異なるポジションを守る練習には、首脳陣の工夫と狙いがある
2022年11月14日 08:00
野球
普段とは異なるポジションを守らせる練習は歴史が古い。大リーグ・ドジャースでは1940年代春季キャンプで採り入れていた。ゼネラルマネジャー(GM)のブランチ・リッキーが指示していた。マイナー組織を整備、黒人選手ジャッキー・ロビンソンの登用で大リーグ「人種の壁」を破るなど、アイデア豊富な名フロントマンだった。
「ヤシの実もぎ」(coconut snatching)と呼んだ。ハワイなど南の島でヤシの実を採る作業がある。1人が木に上り、両足で体を支え、実をもいで地上に落とす。続けていると疲れてくるため、地上の仲間と交代する。「人は入れ替わるがヤシの実もぎは続く」というわけである。
当時の選手で後にフロント幹部となったアル・カンパニスが1954年発行の『ドジャースの戦法』(日本版57年発行=ベースボール・マガジン社)で紹介している。<自分の野球経験からいうのであるが、いろいろちがったポジションをやらせてみるがいい>。巨人V9の指南書である。
実際に三塁手が捕手、外野手が遊撃手、一塁手が外野手…とコンバートに成功した。リッキーは「その人にとって、どのポジションが最も向いているのかは誰にも分からない」と語っていた。
この日の「ヤシの実もぎ」には守備位置転向までの意図はないだろう。監督・岡田彰布はポジション固定を掲げている。
阪神では過去にも同様の練習を行っていたが、コーチはよく「相手の気持ちを知るため」と説明していた。外野手は内野手の、内野手は外野手の思いになることで連携が潤滑になるという。
キャンプ中盤、疲れも出てくる。同じメニューでは選手に飽きもくる。昔聞いた「キャンプはコーチが主役」という岡田の考えに沿った工夫だったとみている。=敬称略=(編集委員)
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