一生に一度の日本野球史上最高で最強の継投! 大谷からダル“栄光への架け橋”で侍4強

2023年03月17日 05:30

野球

一生に一度の日本野球史上最高で最強の継投! 大谷からダル“栄光への架け橋”で侍4強
<日本・イタリア>4回、Do・フレッチャーから三振を奪いガッツポーズする大谷(撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 【WBC準々決勝   日本9-3イタリア ( 2023年3月16日    東京D )】 侍ジャパンは16日、カーネクストWBC準々決勝ラウンド東京プールのイタリア戦に9―3で快勝し、出場チーム中唯一となる5大会連続の準決勝進出を決めた。「3番・投手兼DH」で出場の大谷翔平投手(28)は、4回2/3を2失点。7回からは4番手でダルビッシュ有投手(36)が2回1失点で、最初で最後かもしれない夢のリレーが架け橋となり、試合後に米国へ向け東京ドームを出発した。準決勝は20日(日本時間21日午前8時開始)、メキシコとプエルトリコの勝者と対戦する。
 どうすれば勝てるか。大谷はそれだけを必死に考えていた。負ければ敗退の準々決勝。大一番を前に栗山監督からは「どんな形でもいいからチームを勝たせろ」と伝えられた。チームを勝たせるための二刀流。0―0の3回1死一塁。初球にセーフティーバントを試みた。

 「無理に引っ張って併殺になるのが最悪なシナリオ。リスク回避しながらハイリターンが臨める選択をした」

 がら空きの三塁側へ転がった打球を処理した相手投手の悪送球も誘い、一、三塁にチャンス拡大。続く4番吉田の遊ゴロの間に先制点をもぎ取った。内野手が極端に右寄りに守る「大谷シフト」の裏を突いて破った。「あの場面、日本代表の勝利より優先する自分のプライドはなかった」。心は熱く、頭は冷静に。一挙4点のビッグイニングを演出した。

 「投手・大谷」も気合十分だった。初回から気持ちを前面に押し出し「オリャッ!」という叫び声が何度もこだました。2回先頭のパスクアンティノにメジャー移籍後最速となる102マイル(約164・1キロ)の外角直球で空振り三振。16年CSファイナルS、ソフトバンク戦でマークした自己最速165キロにあと0・9キロと迫る剛速球で沸かせた。5回に2死球などで2死満塁を招き、161キロの直球で詰まらせた打球が右翼手の前に落ち2失点。投手としては4回2/3を71球で4安打2失点、5三振。5回2死一、三塁と走者を残しての降板となったが、9日の開幕・中国戦に続き勝利投手に。11日のチェコ戦で三盗を試みた際に、左膝を派手にすりむき、この日は左膝にサポーターのようなものを着け出場。万全ではない中で、投打でけん引した。

 「久々の短期決戦。最近ではあまり経験していなかった。独特の緊張感は自分の中で特別なものがある。あと2つですけど、優勝を目指して頑張りたい」

 シフトをあざ笑うバントも、投げる度に雄叫びを上げる姿も、エンゼルスで何度も見せてきた。日本ハム時代はバント安打は一度もなかったが、メジャー移籍後は勝つためにパーフェクト投球中の相手に不文律を破って繰り出すこともあった。「この試合、絶対に勝ちにいくんだと野球小僧になった時に、彼の素晴らしさが出てくる」と栗山監督。世界一までの残り2試合は打者に専念する見込み。投げて打って、走って、米国行きチケットをつかみ取った。(柳原 直之)

 ▽大谷とダルビッシュ ダルビッシュが日本ハムからメジャー挑戦した12年の秋、ドラフト1位指名で大谷が日本ハムに入団。ともにプレーすることはなかったが、絆は固い。ダルビッシュが背負った日本ハムの背番号11を、大谷が継承。15年オフには、既に大リーグに移籍していたダルビッシュがトレーニングするジムに足しげく通い、先輩が作成したメニューをこなした。この期間だけで体重は7~8キロ増え、筋骨隆々の体となる礎を築いた。大谷は「栄養面やトレーニング法を考えられていた。凄く勉強になった」と振り返る。その後も疑問が出れば連絡し貪欲に吸収していった。

 ≪5人目の1大会2勝≫大谷(エンゼルス)が中国戦に続き勝利投手。WBCで日本代表の1大会2勝以上は、06年松坂大輔(西=3勝)、同年上原浩治(巨=2勝)、09年松坂大輔(レッドソックス=3勝)、ダルビッシュ有(日=2勝)、13年前田健太(広=2勝)に次いで5人目(6度目)。

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