三浦 米での再戦に道、認められた魂ぶつかり合う壮絶ファイト
2015年11月26日 08:49
格闘技
試合はいきなり動いた。初回、三浦が相手の右フックでぐらつき、4回に“ボンバーレフト”をさく裂させてダウンを奪い逆転。強打でペースをつかむと8回終了間際には再び左でKO寸前に追い込んだ。だが、9回。捨て身で立ち向かってきた相手の連打を浴びてダウンすると、再開後に右ストレートで顔がのけぞりレフェリーがストップ。驚きの大逆転劇は、メーンを含めたこの日の興行で最も歓声が上がった瞬間だった。
これが日本だったとすれば、この戦いに続きはなかったかもしれない。しかし、試合後のリング上でWBC、中継局HBO、主催のゴールデンボーイ・プロモーションが再戦に意欲を示したのだ。試合前、三浦が米国で継続して戦う条件に、帝拳ジムの本田会長は「まずは勝つこと。次に内容」という2点を挙げたが、敗れはしたものの、魂がぶつかり合った「内容」が認めらたのだ。
「勝利」で次のステップに進むことはできなかったが、再び米国の地に立つ資格を獲得した男にチャンスは残された。初防衛戦から敵地に乗り込む厳しい路線に挑戦したからこそ、たどり着いた夢舞台。そして、タイミングを逃せば遠のくビッグマッチ。12年10月、米国で「世紀の一戦」とも言われた試合で西岡がドネアに敗れた。その時、本田会長が「次に続いてほしい」と口にした言葉が思い出される。(宗野 周介)