「あくまで予定、観測、希望」2017年ボクシング界の“予定表”
2016年12月26日 10:30
格闘技
昨年、敵地タイでWBCユース・フライ級王座を獲得した比嘉は、今年7月に東洋太平洋同級のベルトを奪取。歴戦の猛者である王者アーデン・ディアレ(フィリピン)を3度倒して4回KO勝ちし、11月には初防衛に成功した。今年は3戦3勝3KOでデビューから11連続KO勝利。世界ランクもWBC同級3位まで上昇した。ローマン・ゴンサレス(ニカラグア、帝拳)が返上したWBC同級王座は1位のナワポーン・ソールンビサイ(タイ)と2位フアン・エルナンデス(メキシコ)が3月4日にタイで決定戦を行うことが決まり、WBCは王座決定戦の勝者に3位との対戦を指示している。試合間隔から事前に1戦挟むことになりそうだが、順調なら来夏には比嘉の世界挑戦が実現する。
今年の活躍で日本プロスポーツ大賞の新人賞を受賞した比嘉に、先日の表彰式で2016年の感想を聞くと「世界が近づいたかな」と笑顔で答えた。ボクシング以外の競技の選手も出席する表彰式は初体験。「沖縄でもなかった。一日警察署長を務めたぐらいかな。そしたら、昔の仲間が向こうの道をバイクで走っていった」とのエピソードを披露して笑わせてくれた。WBCの対戦指令はもちろん承知しており、「22歳になる8月9日までに世界戦ができるといいですね」。同じ沖縄出身の元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高会長は21歳で戴冠しているため、「会長と同じ21歳で世界王者になりたいですから」との言葉に熱がこもった。
初防衛戦後の11月下旬、来日中だった憧れの存在、ローマン・ゴンサレスと同じリングで練習する機会に恵まれた。今月にはWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(大橋)のスパーリングパートナーも務めた。2つ年上の“怪物”と拳を交え、「世界のスピードとパワーを体験して、自分も世界王者になれると自信をつかんだ」という。世界王者の次の目標として「浜田(剛史)さんの15連続KO(の日本記録)を目指したい」と掲げた“沖縄のロマゴン”。来年の主役の一人になることは予定に入れておいてもいいだろう。(専門委員・中出 健太郎)