30日ジョシュアVSクリチコを上田晋也が大胆予想「本当の世代交代になる」
2017年04月26日 14:02
格闘技
――まずは4月30日に行われるジョシュア対クリチコですが、これは典型的な新旧対決ですね。
上田「一昨年、タイソン・フューリー(英国)がクリチコに勝ったけれど、僕のなかではたまたまという感が強く、時代が変わった、あるいは世代交代という印象がないんです。でも今回、ジョシュアが勝つと“ヘビー級新時代”を確固たるものにできると思うし、本当の世代交代になるんじゃないですかね。その先、WBCチャンピオンのデオンテイ・ワイルダー(米国=38戦全勝37KO)との対戦も考えられるわけで、そうなるとマイク・タイソン、イベンダー・ホリフィールド、リディック・ボウ(いずれも米国)、レノックス・ルイス(英国)、ドノバン・ラドック(カナダ)らがいた80年代後半から90年代のような群雄割拠の時代に入るような気がします。そう予言したいんですが、ただ、僕の予想は商店街の福引よりも当たらないんですよ(笑い)」
――当日、ウェンブリー・スタジアムは9万人の大観衆で埋まりそうです。
「僕はロンドン五輪のときにサッカーの取材でウェンブリー・スタジアムに行ったのですが、あそこで2人が対決するのかと思うと興奮しますね。以前、マニー・パッキャオ(フィリピン)対アントニオ・マルガリート(メキシコ)の試合をダラス(米テキサス州)のカウボーイズ・スタジアム(現AT&Tスタジアム)で見たことがありますが、みんなの視線がリングに集まるわけで、“いま、世界の中心はここなんだな”と思ったものです。テレビで見ても歴史の証人になるので、朝6時からの放送で少し早いけれど、これはぜひ見てほしいですね」
――どんな試合を期待しますか。
「ジョシュアは1ラウンドから行くと思います。クリチコは様子を見るかな? できればジョシュアにはクリチコがクリンチできないくらいの距離で積極的にワンツーを打っていってほしい。ジョシュアの右ストレートが時代を手繰り寄せるか、それともクリチコの右ストレートが時代を手放さないか、そんな戦いですね」
――予想は?
「タイソンがジェームス・ダグラス(米国)に倒されて、それをヒントにして他のチャレンジャーたちが続いたように、(無敵の選手が)一度攻略されると相手が自信を持ちますからね。モノマネもそうじゃないですか。それまで誰もやらなかったビートたけしさんのモノマネを、松村邦洋さんが“バカヤロー、ダンカン”ってやったら、みんながやるようになった。例が全然違うけれど、ジョシュアは自信を持ってクリチコに対峙(たいじ)できるんじゃないかな。だから、ジョシュアの後半KO勝ちと予想します。これまでクリチコは長いこと頑張ってくれたけれど、ここは時代を手繰り寄せるためにもジョシュアにセンセーショナルなKOで勝ってほしいですね」
――ワイルダーが観戦するらしいですね。
「そうですか。ジョシュア対ワイルダーはどんなことしてでも見に行きたいカードですね」
なお、アンソニー・ジョシュアvsウラディミール・クリチコは4月30日(日)午前6時から、上田晋也がスペシャルゲストとして出演する、サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)vsフリオ・セサール・チャベス・ジュニア(同)は5月7日(日)午前11時から、いずれもWOWOWライブで2週連続生中継される。