RIZINが追い求める“どうすればファンが喜ぶか”
2017年08月01日 11:00
格闘技
北岡は矢地祐介の打撃を浴びながらも最後まで倒れなかった。才賀はキックボクサーの那須川天心とのMIX特別ルールで自分が有利になるMMA(総合格闘技)ルールの2ラウンドまで引っ張ることなくキックボクシングルールの1ラウンドから勝負に出た。所英男も米UFCでの実績がある堀口恭司に真っ向から立ち向かった。「やるかやられるか」という格闘家の原点とも言える闘いに徹したことで、結果として壮絶なKO劇が生まれた。
榊原実行委員長は「ただ勝つだけならアマチュアスポーツ」と言い切る。その考えは出場選手にも浸透している。人気急上昇中の女子選手のKINGレイナはレイディー・タパ戦で腕十字固めを決めきれずに判定勝ち。試合後は「メチャクチャむかついている。一本を取る試合をしたいと思っているので悔しい」と唇をかんだ。一夜明け会見でも「いらついている」と怒りは収まっていなかった。魅せて勝つことがプロに課せられた役目であると認識している。
かつては大みそかのテレビを席巻した総合格闘技。冬の時代を経て、再び勢いを取り戻してきている。30日の大会の来場者数は1万7730人。PRIDE、K―1の全盛期の数字に比べればまだまだだが、「どうすればファンが喜ぶか」ということを運営も選手も理解しているRIZINは、まだまだ伸びる余地を残している。(佐藤 博之)