山中 再戦に水差す“愚行”に涙…体重オーバーでネリ王座剥奪
2018年03月01日 05:30
格闘技
目に怒りの色を浮かべ、山中が吐き捨てた。午後1時からの計量に遅刻したネリの体重は55・8キロ。バンタム級のリミット53・5キロを2・3キロもオーバーし、スーパーバンタム級の55・3キロさえ超えていた。山中はリミットを200グラム下回る53・3キロでクリア。控え所に戻る際、目には悔し涙が浮かんでいた。
ネリはロープ跳びなどで汗をかいた2時間後の再計量でも54・8キロと1キロしか落ちず王座剥奪が決定した。マルドナド・トレーナーはドーピング違反を防ぐため今回契約した栄養士のペレス氏に「体重管理を全て任せていた」と説明。2カ月前から担当し、水を飲ませながら減量する方法を導入したペレス氏は朝の時点で3キロオーバーだったと明かし「水を断てば他の選手なら落ちるのにネリの体は違っていた。昨日(27日)から体重が落ちにくくなった。責任は私にある。山中に申し訳ない」と話した。
「信じられないというか、イラつきがあった」。怒りの理由を口にした山中は「万全のコンディションを相手にも期待していた。本当に悔しかった」と声を震わせた。昨年8月に王座を奪われた相手に雪辱するため現役を続行。処分なしとなったネリのドーピング疑惑も受け入れただけに、スッキリした決着が望めない状況に失望の色は濃い。「最近、(体重超過が)当たり前のように起きている。もっと(ルールを)厳しくしてもいい」と罰則の必要性も訴えた。
試合は山中が勝った場合のみ新王者となる変則タイトルマッチで実施。公平を期すためネリは、1日正午からの当日計量で増量は58・0キロまでと定められた。だが、減量に耐えた山中と、楽に調整してきたネリではコンディション面に差がある。帝拳ジム本田明彦会長は「山中はキツいと思う」と認め、「勝っても負けても最後と思ってやってきただろうけど納得できないのでは」と心中を思いやった。