村田 KOより勝利優先「焦らないこと 倒したいという欲や邪念をいかに抑えて臨めるか」
2018年04月15日 05:30
格闘技
初防衛戦へ順調に練習を積み重ね、今週から調整のため都内のホテルに宿泊。空いた時間は読書や映画観賞に充てている。愛読書のヴィクトール・フランクル著「夜と霧」を読み返し、ナチスの強制収容所を生き抜いた人々に「減量から解放されたボクサーの心境とかぶるところがある」と共感。映画は「マイティ・ソー」で、「マーベル・コミックのシリーズが大好き。ヒーローがただカッコ良くて強いだけじゃなく、どこかに闇を抱えている。その部分にひかれる」と解説。こちらも「闇を抱えていないボクサーなんていないと思う。でなきゃ人と殴り合うのを職業にしない」と自身と登場人物を重ね合わせた。
だからこそ、初防衛戦では生存者やつわものの心に生まれる「欲」を捨てて戦う。怖いのは慢心と、KOを欲張って前のめりになり有効なパンチが打てなくなる展開。「焦らないこと。倒したいという欲や邪念を、いかに抑えて臨めるか」と自分を戒めた。同じ興行に出場する比嘉が計量失敗で王座剥奪。「いわば身内のことをとやかく言う性格じゃない」とコメントを避けたが、ドーピングや体重超過に揺れるボクシング界に希望をもたらすのがヒーローの役目だ。