村田 ゴロフキン戦へのハードルは?V2戦“過去最強の敵”勝利が必須
2018年04月30日 10:30
格闘技
ゴロフキンの最優先事項が、最も金になるカネロとの再戦であることに変わりはない。だが、2人の決着が長引いているぶん、各団体の上位ランカーも長期スタンバイを強いられている。IBFはゴロフキンに1位セルゲイ・デレビャンチェンコ(ウクライナ)との指名試合を命じており、マーティロスヤン戦後にカネロとの再戦に進むようなら王座を剥奪しかねない。WBCでは4月21日にチャーロ兄弟の兄ジャモール(米国)が暫定王座を獲得し、正規王者ゴロフキンとの統一戦をアピール。同28日には元WBA王者ダニエル・ジェイコブス(同)が指名挑戦権を獲得し、こちらもかつて接戦を演じたゴロフキンとの再戦を望んでいる。これらの選手に比べると、英国での人気も高くはないサンダースが、全てのベルトを保持したままのゴロフキンと戦うことは難しい。
同じように、元欧州王者相手に初防衛に成功したばかりの村田がゴロフキン戦を実現させるのも簡単ではない。ビジネス面で「東京ドーム開催」という切り札はあるが、米国での知名度はまだまだ低いからだ。チャーロ兄やジェイコブスら群雄の仲間入りをするためにも、今年9月にもラスベガスで予定されるV2戦では知名度のある相手に快勝する必要がある。
プロモート契約を結ぶ米トップランク社はエスキバ・ファルカン(ブラジル)との「ロンドン五輪決勝の再現」を希望しているものの、米国で日本人とブラジル人が対戦しても印象は薄い。やはり村田陣営が希望する米国人が一番だろう。世界ランカーにはロバート・ブラント、ウィリー・モンローJr、ルイス・アリアス、カナダ人の元IBF王者デビッド・レミューらがいるが、いずれにしろ「過去最強の敵」と戦うことがアピールになる。(スポーツ部専門委員・中出 健太郎)