雅雪「失望」判定0―3王座陥落…夢の統一戦遠のく
2019年05月27日 05:30
格闘技
長身サウスポー対策は十分なはずだった。ただ、「もっとファイトしてくるだろう」という一方的な思い込みが歯車を狂わせた。距離を詰めようとしても、ロンドン五輪米国代表で経験豊富なヘリングのテクニックと長いリーチに阻まれ、攻撃が単発に終わった。「勝ったとは思わなかったけど、負けた気もしない」と振り返ったが、挑戦者に握られたペースを引き戻すことはできず、ジャッジ3者の採点は4~8点の大差がついた。
メモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)の週末に元海兵隊員との対戦。しかも、当日はヘリングの亡くなった娘の10歳の誕生日だった。相手のために描かれたような“シナリオ”にのみ込まれ「今夜はヘリングの日だったのかなと。自分の中で改善の余地は凄くあったとは思うんですけど」と振り返った。
勝っていれば、WBC世界同級王者ベルチェルトとの統一戦が有力視されていたが、痛恨の敗戦。王者であり続ける以上に大きな意義を感じていたビッグマッチのチャンスも逃した。ルディ・エルナンデス・トレーナーからはライト級への転級を勧められたが、「簡単に、また頑張りますとは言えない」と今後については明言を避けた。昨年7月に米国でつかんだ夢。その続きを見失ってしまった。