盛り上がる日本ボクシング界 王座剥奪された“あの男”の復活にも期待
2019年09月22日 09:30
格闘技
「無期限」とはいえ、比嘉の場合は、薬物違反や体重超過を繰り返し、日本のリングから事実上の永久追放となったルイス・ネリ(メキシコ)とは違う。世界戦で日本人初の計量失敗という事実を重くみたJBCは厳罰を課したが、同時に復帰する場合には1階級以上転級させることを義務付けた。さらに処分を告知する文書には「停止解除は定期的なコンディション管理報告、健康状態報告等を受け総合的に勘案してJBCが決定する」の注釈も付いた。つまり、期限は定めないものの、復帰を前提としたものだった。
では、処分解除はいつなのか?
実は、すでにJBCは解除の方向で準備は進めている。ただ、比嘉サイドからのアプローチがないのだという。比嘉が信頼を寄せていた野木丈司トレーナーが白井・具志堅ジムを離れてしまい、どうやらジム側とコミュニケーションがうまくとれていないようだ。ライセンス申請などは所属ジムを通じて行うルールがあり、まずはジムとの関係が改善されないと、再起の道は見えてこない。
RISEワールドシリーズを制したキックボクシングの“神童”那須川天心がK―1のエース武尊との対戦を呼び掛けた。那須川の「選手がやりたい、ファンが見たいというカードを組まないのはおかしい」という発言は間違ってはいない。ただ、2つの別の組織にはそれぞれ事情もあり、簡単には実現しないかもしれない。
それに比べれば、比嘉とジムの関係修復は難しくないのではないか。ボクシングの選手生命は決して長くない。比嘉にとっては、ここ数年が最も輝ける年齢かもしれない。再起を待ち望むファンのためにも両者が歩み寄ることを期待している。(記者コラム・大内 辰祐)